18日朝の大阪府北部を震源とする最大震度6弱の地震は、有馬-高槻断層帯で発生したとみられています。この断層帯では、422年前に慶長伏見地震(1596年)が発生しています。
歴史地震を研究している都司嘉宣さん(元東京大学地震研究所)に、今回の地震との関連を聞きました。
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伏見城の模擬天守
「約400年前の慶長伏見地震は、豊臣秀吉が建てた伏見城の天守を倒壊させ、京都の東寺や天龍寺なども倒壊、死者は1000人を超えたとされています。慶長伏見地震はM7.25-7.75程度と推定され、今回の地震(推定M6.1)よりはるかに大きな規模でした」
都司さんは続けてその理由を指摘します。
「慶長伏見地震は、今回の地震の震源とされる有馬-高槻断層帯だけでなく、六甲-淡路島断層帯も震源断層とされています。2つの断層帯が動いたことで地震の規模が大きくなったのです」
「1995年の阪神・淡路大震災は、六甲-淡路島断層帯が震源でした。慶長伏見地震のときは六甲-淡路島断層帯と連動して動いた有馬-高槻断層帯はどうだったかと思って調べましたが、こちらは動いていませんでした」
そのとき動かなかった有馬-高槻断層帯は、その後も歪(ひず)みが徐々に蓄積されて、今回の地震につながったと都司さんは推測します。
今後の見通しはどうなのでしょうか。
「近畿では、1854年に伊賀上野地震がありました。現在の三重県伊賀市北部で発生した地震です。その年の7月7日に発生した地震で建物の倒壊はなかったのですが、余震が続いたため住民は戸外にムシロを敷いて寝るなどしたそうです。そして7月9日にはもっと大きな地震(推定M7.25)が発生し、死者は1000人近くにのぼったと記録されています。つまり、最初の地震は前震で、2日後に本震が襲ったのです」
前震 本震は、2016年4月14日-16日の熊本地震と同じパターンです。
都司さんは「可能性は大きくないけれど」と前置きした上で、「まだ有馬-高槻断層帯の歪みが残っていたら2〜3日後に同規模の地震が起こり得ます。1週間は警戒が必要ですが、それを過ぎれば大丈夫でしょう」
余震への対策を忘れずに、しばらくは地震の動向から目を離さないようにしましょう。
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