映画「ウエスト・サイド・ストーリー」でアニータを演じたアリアナ・デボーズさんが、第94回アカデミー賞で助演女優賞を受賞した。
クィアを公表した黒人女性、そしてアフロラティーナ(アフリカとラテンアメリカにルーツを持つ女性)がオスカーを手にするのは初めて。
デボーズさんは受賞スピーチで、声を震わせながら「白のフォード・フォーカスの後部座席に座っている小さな女の子を想像してください」と呼びかけた。
「彼女の目をのぞいてみてください。アートで自分の強さを見つけた、クィアを公表する黒人女性、アフロラティーナが見えると思います」
「それこそが、私たちが今日ここで祝うものだと思います」
さらに「ウエスト・サイド・ストーリー」の曲「Somewhere」の歌詞を引用して、次のようなメッセージを伝えた。
「自分のアイデンティティに疑問を持ったことのあるすべての人たち、もしくは先が見えない場所にいると感じているすべての人たちに約束します。必ず、私たちのための場所があります」
アカデミー賞ノミネートに「震えている」
デボーズさんが出演した「ウエスト・サイド・ストーリー」は、スティーブン・スピルバーグ監督による名作ミュージカルの映画化で、1961年のオリジナル版映画でアニータを演じたリタ・モレノさんも、アカデミー賞助演女優賞を受賞した。
デボーズさんはノースカロライナ州出身で、これまでに「ハミルトン」や「サマー」などのブロードウェイミュージカルに出演してきた。
2月にアカデミー賞にノミネートされた時、「自分にとって重大な出来事で、震えている」と喜びをVarietyに語っている。
「私は今、ここまで来るまでのすべての努力と決意を感じています。否定(rejection)されることもありましたが、それを方向転換(redirection)と呼びたい。さまざまな選択や、リスクをとってきました。しかしここまで来たなんて……。私はオスカーを見て育ってきました。自分が尊敬してきた人たちと同じように見られるなんて、言葉では表現できません」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。