クリスマスイブの12月24日、アメリカのアップルストア従業員が、労働条件の改善を求めてストライキを起こした。
主催者によると、ストライキには少なくとも3州50人の従業員が参加。有給休暇やコロナ禍での危険手当の不足などの問題を訴えた。
ストライキを企画した元アップル従業員のヤネケ・パリッシュ氏は、「約8万人いるアメリカのアップル従業員に比べると参加人数は少ないものの、従業員が巨大テック企業に対して声を上げることに大きな意味がある」と話した。
さらに「アップルの従業員は耳を傾けてもらえないことにうんざりしている」「ストライキは、小売店の従業員がどのように扱われているかに人々は気づいているということをはっきり示すためのものだ」とも語った。
クリスマスイブに「製品を買わないで下さい」
アップル現従業員と元従業員からなる団体「アップル・トゥギャザー」は、クリスマスイブにストライキを決行することを23日に宣言し、製品の不買などを呼びかけた。
アップル・トゥギャザーのツイート:すべてのアップル従業員と顧客の皆さんへ。明日2021年12月24日に、Apple従業員たちは労働条件の改善を求めるストライキ/出社拒否を行います。参加者にはストライキのための資金が用意されます。ピケラインを越えないでください。
私たちは職場での敬意を受けるに値します。有給の病気休暇や最前線で働くための保護、そして適切なメンタルヘルスケアを受けるに値します。
アップルには、収益に見合った会社のイメージを保つよう求めます。どうか店舗で製品を購入しないで下さい。オンラインでも購入しないでください。
パリッシュ氏によると、アップルストアの従業員が利用できる病気休暇は非常に限られたもので、パートタイムの従業員は有給休暇が時間単位でしか取得できない。
そのため、オミクロン株が急拡大している現在のような状況でも、体調を崩した時には出勤するか無給休暇を取るかのどちらかの選択肢しかないという。
これに対し、アップル広報担当者はハフポストUS版に「新型コロナウイルスと思われる症状が出た場合、すべての従業員は有給の病気休暇の取得が認められている」と話した。
新型コロナウイルス感染が拡大する中、アップルストアの従業員は感染の危険やハラスメントにさらされてきた。
テキサス州のアップルストアでは12月初め、複数の従業員が新型コロナウイルスに感染して店舗を数日間閉鎖した。
また各州がマスク着用義務などコロナ対策を導入する中、アップルストアの従業員が顧客からハラスメントや暴力を受けるケースもある。10月には、ニューヨークのアップルストア警備員が、マスク着用を巡って刺される事件も起きた。
パリッシュ氏は、危険手当は「パンデミックで最低限、保障されるべき」と訴える。
アップルの従業員は、2021年8月に従業員らが職場での差別やハラスメントなどを訴えるサイト「AppleToo」を立ち上げハッシュタグ#AppleToo でオンライン抗議活動を始めた。
その中で、多くの現従業員や元従業員が、職場での暴言やセクハラ、賃金平等など様々な問題を訴えた。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。