Apple Watchがオーストラリアでの殺人事件捜査で有力な証拠となり、犯人逮捕の決め手となったという報道がありました。
このニュースを伝えているのはイギリスでタブロイド紙として知られるDail Mail。一般的に信憑性については疑問のあるメディアですが、オーストラリア現地でも同じ趣旨が報道されていることもあり、今回は信用してもよさそうです。
この事件は2016年9月に、オーストラリアにてマイルナ・ニルソンさん(57)が自宅で殺害されていたというもの。殺害犯として逮捕されたのは、義理の娘であるキャロライン・ニルソン容疑者(26)です。
当初、キャロライン容疑者は路上で男たちのグループといざこざが起こった後、自宅に押し込まれ、義母が殺害されたと証言。その事件があったと称される3時間後に、容疑者はテープで顔と手を縛られた状態で隣人に発見されました。
しかし、マイルナさんが心臓が止まるまでApple Watchを着用していたことから、容疑者による証言のほころびが発覚。法医学の専門家が記録された心拍数データを分析したところ、被害者が攻撃されてから死亡までかかった時間が7分に絞り込まれたとのこと。
検察側は、もし容疑者の証言が正しければ、被害者は約20分は襲撃者とやり取りしていたはずであり、データと矛盾していると語っています。
さらに心拍数データは爆発的な変化を記録しており、被害者が不意打ちを受けて意識を失った(襲撃者と向き合った状態ではない)事実を示しているとされています。
検事は犯罪現場の偽装工作についても語っており、Apple Watchの記録だけで犯人を特定したわけではなさそうですが、攻撃を受けてから心停止するまでの過程や、どのような暴行が行われたかを推測した分析プロセスは興味深いところです。
Apple Watchはサメの出没地で命拾いした一件や、難病が判明するきっかけとなった逸話もあります。こうしたウェアラブル機器はスマートフォン以上に身体に密着したデバイスとして、不可欠なライフラインになるのかもしれません。
(2018年3月31日engadget日本版「Apple Watchが被疑者のアリバイを崩した? 心拍データが殺人事件捜査の有力な手がかりに」より転載)
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