世界各国のロックダウンも徐々に解除され、経済活動の再始動に向けて動き出している5月の中旬。アップル未発表製品についても数々の観測が飛びかいました。
iPad廉価モデル、A12搭載で年内発売?から14インチMacBook Proは2021年?まで、最新アップルの噂をまとめてお届けします。
2020年のフラッグシップiPhone 12(仮)は5G対応など革新的な機能が予想されていますが、そのうちディスプレイと背面カメラが強化されるとの噂です。
リーク情報でおなじみとなりつつあるEveryThingAppleProとMax Weinbach
氏によると、iPhone 12のProモデル2つ(6.1インチと6.7インチ)には、2017年以降のiPad Proと同様の120Hz ProMotionディスプレイが搭載されるとのこと。ただし120Hzもの高リフレッシュレートはバッテリーの消耗が激しいため、60Hzモードと動的に切り替えると述べられています。
そして背面カメラはiPhone 11シリーズでいうナイトモード(夜景撮影用)が改善され、新規に追加されるLiDARスキャナ(3Dセンサー)がポートレートモードやオートフォーカスを強化するとのこと。さらには、光学ズームが2倍からようやく3倍に向上し、デジタルズームを使わずとも遠くの被写体をきれいに写せるとの予測です。
ただし、前者のProMotion搭載説に対してはディスプレイ専門家のRoss Young氏から物言いが付いています。同氏いわく120Hz表示には1Hz~120Hzまで調節できるLTPO技術が必要であり、それは2020年内にはサムスンのフラッグシップ機に限られる可能性が高いとのこと。LTPOとはApple Watch Series 5に搭載され、不要不急のときは画面書き換えを抑止(1Hzに低減)して消費電力を節約し、常時点灯を実現していると公称されています。
アップルが有機ELパネルの供給をサムスンから受けている以上、「サムスンが先進ディスプレイ技術を採用し、それ以降にiPhoneにも供与される」という優先順位は覆しがたいものがあります(パネルとタッチ機能を統合する「Y-OCTA」なる技術にも同様の噂がありました)。今年はひとまずバッテリー持続時間を優先して、ProMotionディスプレイは先送りされるのかもしれません。
数年越しに噂されてきたBeatsブランドではないアップル製ヘッドホンですが、5月に入ってから情報がにわかに活発化してきました。
まず最近注目を集めるリーカーJon Prosser氏は、新オーバーイヤーヘッドホンの製品名が「AirPods Studio」であり、価格は349ドルと示唆するツイート。これまで完全ワイヤレス“イヤホン”に冠されていたAirPodsを用いるのは意外ですが、「Air」にも「Pods」にもイヤホンに限るキーワードは含まれておらず、すでに定着したブランド入りさせるのは合理的とも思えます。
それに続いて米9to5Macは事情に精通した情報筋からの話として、新ヘッドホンには頭や首を検知するセンサーが内蔵されていると伝えています。AirPodsがセンサーにより耳に入れると再生/外すと一時停止としているしくみを、ヘッドホンの使用形態に合わせて頭や首により再現しようとするねらいです。
もう1つの新たなセンサーは耳の左右を認識して、音の左右チャンネルを自動的に入れ替えるとのこと。ヘッドホンを前後逆にかけてしまうことはありがちですが、ユーザーが小さな目印を確認せずともデバイス側で適切に左右を認識して入れ替えてくれるというわけです。
新ヘッドホンの詳細はBloombergも先行して報じており、AirPods Proのようなワイヤレスペアリング機能とアクティブノイズキャンセル機能、それに音声コントロールSiriも搭載するとのこと。「革のような生地を使ったプレミアム版」と「軽い穴あきのフィットネス重視モデル」の2タイプあり、イヤーパッドやヘッドバンドパディングが磁石により取り替えたりカスタマイズ可能とも伝えられていました。
発売当初AirPods Proの価格はワイヤレスイヤホン製品群の中では割高な印象を与えましたが、新ヘッドホンが噂される約350ドルはBeats Studio3とBose 700の中間に位置しており、普及価格とさえ言えます。現行のAirPodsシリーズも売れに売れていますが、アップルはヘッドホン市場も急速に開拓する可能性がありそうです。
13インチMacBook Proの後継機として噂される14インチモデルですが、再び「2021年にリリース」との観測が再燃しています。
Twitterユーザーの有没有搞措(@L0vetodream)氏は、新iPhone SEの発売日を的中させ、数々の気になるアップル未発表製品の情報を発信している人物です。その同氏が「私の夢ではMBP 14(14インチMacBook Pro)は来年だ」とツイートし、それに人気リーカーのJon Prosser氏が「100%(本当だ)」とリプライしたことで、1000%の注目を集めている次第です。
直近の新製品でこそ画面サイズは13インチに据え置かれていましたが、2019年末に登場した16インチモデルが「ベゼル幅を薄くして、前15インチモデルと本体サイズはほぼ同じで画面サイズを拡大」した上に排熱機構やスピーカー等も一新したことから、そちらにも同様のデザイン変更を施した新型が準備中と推測されているわけです。
そうした14インチMacBook Proは有名アナリストMing-Chi Kuo氏も今後のミニLED搭載製品の1つとして予測しており、Bloomberg記者も「正しい」と信ぴょう性を補強していました。
ほぼ時を同じくして、Kuo氏のいうミニLEDやミクロLED工場にアップルが360億円もの投資をするとの噂が報じられました。このうちミニLEDはバックライト技術であり、LCDディスプレイ製品に表現力向上や省電力化ををもたらすと期待されているもの。14インチMacBook Proは、そのデビュー作として登場するのかもしれません。
アップル未発表製品のインサイダー情報で知られるアナリストMing-Chi Kuo氏が、新たな投資家向けメモで「10.8インチのiPadと9インチのiPad miniが発売予定」と述べたとのニュースです。
いずれも「手頃な価格と高速チップの採用」とされ、同じ路線だった新iPhone SEを彷彿させるもの。Kuo氏メモには明記されていませんが、やはりiPhone 11シリーズと同じ最新チップA13 Bionicが搭載されるとも解釈できます。
そして「10.8インチiPad」とは現行の10.2インチiPadや10.5インチiPad両方の画面サイズを上回り、どちらの後継機か判断がつきかねます。とはいえ「高速チップの採用」とあることから、廉価モデルより少し価格も付加価値も上乗せするとも見られ、先月噂されていた「画面埋込みTouch IDのiPad Air」と同じデバイスかもしれません(Touch ID内蔵ホームボタンを廃止すれば、画面も大型化しやすい)。
より興味を惹かれるのが「9インチ」iPad miniでしょう。現行の第5世代は前モデルと同じ7.9インチに据え置かれましたが、ベゼルを薄型化して画面サイズを確保、あるいはホームボタンをなくして画面埋込みTouch ID採用などを夢見たいところです。
上記のiPad未発表モデル2つに続き、今度は「2020年内に第8世代iPad」が登場するとのウワサ。今回の発信源も、上記の14インチMacBook Proと同じく@L0vetodream氏です。
同氏のいつものツイートと同じく「私の夢ではiPad 2020はA12」と手短なつぶやきです。今回もどのiPadかモデルは特定されてはいませんが、エントリーモデルがiPad(2018)やiPad(2019)と通称されていることを考慮に入れれば、やはり廉価版iPadシリーズに連なると解釈するのが妥当かと思われます。
かつ、A12チップは2018年のiPhone XSやiPhone XRといった2年前のiPhoneに搭載されたSoCです。エントリーモデルiPadには数年前のiPhone用チップが搭載という前例からも妥当であり、現行の第7世代iPadのそれはA10 Fusion、すなわち2016年のiPhone 7等の延長にあることから、そろそろ更新されてもおかしくはないはず。
もっともA12 Bionicであれば、現行のiPad AirやiPad miniといった上位モデルとは被りますが、それらが発売された2019年3月から1年以上が経過すれば問題ないのかもしれません。
近年のアップルはApple MusicやApple Arcadeなど多数のサービスを展開しているためか、それらを満足に楽しめるスペックを備えた新iPhone SEなどを安価に提供する傾向がうかがえます。新型コロナによる生産や消費への影響が一段落した頃に、お値頃なアップル新製品が次々と登場することもあり得そうです。
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