今年春(おそらく3月頃に)アップルがまだ見ぬ数々の新製品を発表すると噂され、それを裏付けるようにサプライチェーン情報も活発化しつつあります。
iPhone SE2(仮)、すでに試験生産開始?からiOS 14(仮)のサポート機種まで、最新アップルの噂をまとめて振り返ります。
今年の開発者向け会議WWDCにて発表と予想される、次期メジャーバージョンのiOS 14(仮)。前回のiOS 13ではiPhone 5s/6が切り捨てられましたが、今回はiOS 13にアップグレードできたデバイスはすべてサポートされるとの噂が報じられました。
しかし噂の発信源であるiPhonesoftによると、iPhone 6sおよびiPhone SEは最終的に対象外になるかもしれないとのこと。もうすぐ発表と見られている小型かつ廉価モデルのiPhone SE2(仮)(またはiPhone 9(仮))は、大ヒットしたiPhone 6/6 Plusユーザーに買い換えを促すことが狙いと推測されているだけに、これら新旧の境界線にある2つの処遇は難しそうです。
かたやiPadOS 14(仮)については、iPad mini 4およびiPad Air 2がいよいよ足切りされるとのこと。わずか1世代前のiPad mini 4がリストラされるのは一見すると意外ですが、すでに4年以上前のモデル(2015年9月発売)です。搭載プロセッサも最新のiPad mini(2019)のA12に対してA8+であり、実に数世代もの開きがあります。
次期iOS/iPadOSの話が出るたびに、逆にアップルが過去モデルも息長くOSをアップグレードし続けている姿勢が浮かび上がります。iPhoneを4年以上使い続けるユーザーが増加傾向にあるとの分析もありましたが、それは本体を買い換えないユーザーでもApple ArcadeやApple TV+などサービス事業の潜在的な顧客であり続けるということ。アップルにとっては痛し痒しかもしれません。
Macお宝鑑定団Blog
今年3月にiPhone 8をベースに最新のA13プロセッサやメモリ3GB等を搭載したiPhone SE2(iPhone 9)が登場することはほぼ確実視されている一方で、それに続いて画面が広くなった「iPhone SE2 Plus(仮)」あるいは「iPhone 9 Plus」というべきモデルも準備中と見られています。
画面を広くするためにTouch ID内蔵ホームボタンは廃止されるとして、顔認証のFace IDとなるのか、それともTouch IDが違う形で引き継がれるのかーーそうした2つの見解が分かれているところです。
前者の予想に基づいているのが、Face ID版iPhone 9(仮)らしきモックアップ動画です。公表しているのは、海外でもアップル情報の速さと信ぴょう性に定評あるMacお宝鑑定団Blog。その名も「iPhone 9 5.8インチモデル」とされ、Face ID用のTrueDepthカメラを収めているらしきノッチ(画面上部の切り欠き)もあり。
そしてiPhone 7と重ね合わせるとほぼ同サイズながら、7の画面が4.7インチに対してモックアップは5.8インチ。すなわちホームボタンを削除したことでディスプレイが広くなっているわけです。
それに対してアップルのインサイダー情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は、「iPhone SE2 Plus」はiPhone 8と同じくTouch ID採用であり、側面の電源ボタンに統合されると予測しています。それによりフルスクリーンデザイン=前面からホームボタンがなくなり、画面サイズは5.5インチないし6.1インチになるとのこと。そしてノッチはあるものの、Face ID(そのためのTrueDepthカメラも)がない分だけ小さくなるとされています。
Face ID版iPhone 9とされるモックアップを見るかぎり、ノッチ面積はiPhone 11やiPhone 11 Proより小さくなった印象は受けず、やはりFace ID搭載の感を強くします。アップル社内でも2つのモデルのいずれにするかを検討中か、ないしはFace ID版とTouch ID版の両方が登場する可能性もありそうです。
MacRumors
これまで散発的に複数のアップル新製品について噂は届けられていましたが、それらが一挙に今年前半にリリースされるとの噂です。情報元は、おなじみのアナリストMing-Chi Kuoによる最新レポートとされています。
その顔ぶれは4.7インチiPhone、いわゆるiPhone SE2/9(いずれの名称の説もあり)や背面3Dカメラを備えた新型iPad Pro、MacBook Pro/Airのいずれかまたは両方、それに忘れ物を防ぐUltra Widebandタグやハイエンドヘッドフォン、および小型ワイヤレス充電マットとのことです。
このうちワイヤレスヘッドホンは一昨年から予測されていた一方で、小型ワイヤレス充電マットは昨年AirPoweが発売中止となっているだけに「iPhone、Apple Watch、AirPods充電ケースを同時に、どこに置いても充電可能」となるのかは気になるところです。
すでに1年以上も更新がないiPad Proや、安定性や掃除しやすさが好評なシザー式キーボードを備えると噂されるMacBook Pro/Airの新型を待望しているファンも多いはず。アップル純正忘れ物防止タグはiOS 13ベータ内から手がかりが見つかり、かつ競合他社(予定)となるTileのタグ製品がアップル直営店の店頭から撤去されたとの証言もあることから信ぴょう性が高まっています。
しかしKuo氏によると、これら新製品は新型コロナウィルスの流行に関して予見可能な(生産スケジュールの前提にできる)将来の大幅な改善がない場合、今年後半に延期される可能性もあるとの趣旨を述べています。
新型コロナウィルスは、すでに任天堂の古川社長自らがNintendo Switch生産にも「影響が出ている」と言及しています。かたやiPhoneの大手組み立てサプライヤーFoxconnは「全世界の製造義務を引き続き果たせるように対策を講じている」との声明を出していますが、感染拡大の早期の沈静化を祈りたいところです。
アップルが先日買収した人工知能スタートアップXnor.aiにつき、米国防総省との軍事ドローン契約をキャンセルさせたとの噂です。
有料ニュースメディアThe Information報道では、子会社となったXnor.aiが関与していたのは軍事AI研究プログラムProject Mavenだったとのことです。本プロジェクトにはかつてGoogleも関わっていたことがあり、ドローンが撮影した映像の分析にAIを活用するもの。同社の従業員のうち約3000人が提携解消をピチャイCEOに求める嘆願書に署名し、それを受けてAIに関する倫理ガイドラインを作成した上に当該契約を終了しています。
Xnor.aiが持つ技術はエッジコンピューティング、すなわち端末の”近く”に置かれたデバイスによりデータを処理し、通信遅延を回避するもの。それはクラウドサーバーに依存しないため、アップルの音声アシスタントSiriを賢くしつつ、同社が強調しているプライバシー保護をさらに堅牢にすると期待されています。
そうしたユーザー重視の姿勢は、人命を危険に晒す可能性にも繋がりうる軍事契約と相反しかねないもの。さらにはGoogleの一件のように従業員の反発を招き、巨大IT企業の生命線といえる頭脳を流出させるリスクもあるため、アップルが軍事ドローン契約を解消するのは(実際に契約があったのかどうかは確定していませんが)当然の選択かもしれません。
今週もたびたび噂が報じられていた小型かつ廉価モデルのiPhone SE2ですが、ついに試験生産が開始されたとの中国サプライチェーン情報が伝えられています。
中国ニュースサイトMydriversは、製品名が「iPhone 9」になる可能性があるとしつつ、本モデルはインドなど新興市場が主な対象であり、従って本体価格も高価格とはならないとして3000元(約4万7000円)~を予想しています。
有名アナリストMing-Chi Kuo氏も大手メディアBloombergも「低価格」を強調しており、おおむね日本円で5万円を下回ることは確実視されているといえそうです。
その価格であればiPhone 6/6 Plusユーザーのみならず、iPod touch愛用者にとっても魅力的な乗り換え先となるはず。様々な意味で、世界中の人々が笑顔になれる3月を待ち望みたいものです。
2020年2月2日Engadget日本版「iPhone SE2(仮)、すでに試験生産開始?からiOS 14(仮)のサポート機種まで。最新アップルの噂まとめ」より転載
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