アップルは21日、2030年までにサプライチェーンの100%カーボンニュートラル達成を約束すると発表しました。
カーボンニュートラルとは、ライフサイクル全体で見た中で二酸化炭素の排出と吸収がプラスマイナスゼロになること。すでに同社はグローバルな企業運営において達成しているとしつつ、新たな目標では販売されるすべての自社デバイスについても2030年までに気候への影響を差し引きゼロにすることを目指すと宣言しています。
ティム・クックCEOも同日、以下のようにツイート。「2030年までには、アップルのビジネス全体がカーボンニュートラルになります。私たちが共有している地球は待ったなしの存在であり、より大きな変化を生み出す池の波紋となりたいと考えています」と述べています。
今回の発表は、アップルがオフィスや直営店、データセンターなどで行っている取組みを、取引関係のある他企業にも広げようとするもの。具体的には部品や製品の生産に関わる70社以上のサプライヤーが100%再生可能エネルギーでまかなうことを確約したと述べられています。
サプライチェーンによる環境活動「サプライヤー・クリーンエネルギープログラム」の進捗も公開されており、取組みに参加している関連企業の一覧もあり。その中にはソニーセミコンダクタソリューションやセイコーアドバンス、太陽ホールディングスといった日本企業の名前も確認できます。
ただ協力を呼びかけるだけでなく、アップル独自の経験を活用してサプライヤーにトレーニングやツールを提供しているとのこと。中国で30社以上を対象に2日間の集中トレーニングを実施し、サプライチェーンの枠を超えて再生可能エネルギーのソリューションが推進されることに尽力したと報告されています。
またアップルは、低炭素の製品デザインやエネルギー効率の増大、工程と材料における革新、世界中の自然に基づいた二酸化炭素の除去といった10年のロードマップも提示。こうした取組みを通じて2030年までに同社全体の温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント)を75%減とする計画を詳述する一方で、残り25%については「革新的なソリューションの開発」に言及しています。
このうち「工程と材料における革新」の一環として開発された低炭素アルミニウムは、16インチMacBook Proの生産に投入されるとのことです。いずれカーボンニュートラルは、身近なアップル製品すべてに反映されるのかもしれません。
Source:Apple
2020年7月22日Engadget 日本版「アップル、2030年までに製造での温暖化ガス排出ゼロをめざす。日本の企業も参加」より転載
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