アマゾンの「たすけあおうNippon」と言えば、東日本大震災以降、アマゾンのほしい物リストを活用して、被災地に必要な物資を届けるサポートを続けている取り組みとしてよく知られています。ええ、この取り組みは、過去のものではなく、今もほしい物リストが更新されて使い続けられているのです。
さて、このたすけあおうNipponのトップページは、震災以降ずっと「東日本を応援」という文言が入っていました。東日本大震災がきっかけなので、当然のことです。
また、東日本大震災でアマゾンが行ってきた支援活動というのは、たすけあおうNipponにとどまりません。支援活動というのは、支援のために行うもので、企業のPR活動の一環ではないのですが、それにしても正直あまり知られていないようなので、ここで改めて紹介しておきます。それはアマゾンのクラウドを利用した支援活動です。
ドキュメントとしては「Amazon Web Services - 震災発生時の対応、今後の展開について -」というスライドでも触れられていますが、要するに震災などの緊急事態の際に、アクセスが集中して機能しなくならないように、いわばCDNのような形で、アマゾンのクラウドサービスでアクセス負荷を支援という活動です。
活動は地震や震災で被害を受けたり、アクセス過多で十分に機能できないサーバを、クラウド基盤を利用して復旧させること。また、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)をインフラ付きで提供したり、CMSで被災地の対策本部などからの情報を集約するといった、無償のサポートだ。
こういった問題、記憶にあたらしいところでは、先日の台風19号での横浜市の避難準備対象地域の情報掲載問題があります。
横浜市は、アクセスが集中して回線の容量をオーバーしたのが原因だとして、ホームページから容量の大きい地図情報を削除するなどして対応したということです。
すでに、多数のつっこみを受けているので、ここでさらにつっこむということはしませんが、自分たちの手許でできることとできないこととあるのが、ネットの世界の常ですから、アマゾンが行っている支援には大きな価値があると言えるでしょう。
そして、この横浜市のケースでもう1つわかることは、なにも東日本大震災だけが緊急事態ではないということです。
そんな中、アマゾンからたすけあおうNipponでつちかわれた「ほしい物リスト」を活用した行政との取り組みが発表されました。
アマゾン ジャパン株式会社は、東日本大震災発生後に、「ほしい物リスト」サービスを活用して、約7,000か所以上の避難所、学校、非営利団体、個人宅等に合計10万個以上の物資をAmazon.co.jpのお客様が支援できる環境整備に努めてまいりました。東日本大震災発生の際の経験を生かして、「ほしい物リスト」サービスを利用した災害支援協定を締結するのは徳島県が初めてです。
この取り組みだけが、直接の要因とも思えませんが、現在アマゾンのたすけあおうNipponのトップページからは、「東日本を応援」の文字が消えています。実は、この影響は地味に大きいのです
何度も繰り返しますが、東日本大震災以外にも多数の災害に日本という場所は会い続けてしまいます。そして、東日本大震災をきっかけとして、その支援の輪は広がっています。そういった支援でも、これから先予測される災害に対する支援にも、いつでもアマゾンの「ほしい物リスト」が使えるようになったのです。
自分たちのお客さんの生活の少し先にいつでも支援を行える環境が整備する、これが今回アマゾンが行った決定です。その決定を称賛しつつ、その使い道がわれわれに託されているということも同時に深く受け入れていきたいと思います。
(2014年10月20日「yahoo!個人」より転載)