今、アマゾンの森林が燃えている。
それは事実だ。
SNSでも#PrayforAmazoniasのハッシュタグで広く情報が発信されており、世界中の多くの著名人も投稿している。
しかし、SNSでシェアされている「アマゾンの森林火災」とされる写真には、今回の火災とは無関係の写真が多く混ざっていると複数の海外メディアが指摘している。
実際に、ネット上で広くシェアされている写真の1つがこちら。フランスのマクロン大統領や、環境保護活動に積極的な米俳優、レオナルド・ディカプリオなどがシェアしているのだが...。
実際は、この写真は16年以上も前のものだという。フランスメディアのFrance24によると、写っているのはアマゾンではあるものの、この写真はNational Geographicなどで活躍し、2003年に他界した写真家Loren McIntyre氏が撮影したもの。そのため撮影は16年以上前だとしている。
日本でも、近年環境や社会問題などに積極的に発言をしているローラなども、アマゾンの森林火災について言及している。しかし、彼女もまた、同上の写真をInstagramで投稿している。
またこの投稿には、他にもSNSで多く出回っている猿の写真も掲載されている。しかしこちらは、AFP通信が実際はアマゾンとは無関係で、2017年にインドで撮影されたもの、という写真と同一のものだ。
今回のアマゾンの森林火災に限らず、世界での重要なニュースを、影響力のある著名人がSNSで呼びかけるのは大切なことだ。
しかし、意図は善意であったとしても、写真が実際の現場と無関係となっては、フェイクニュースと呼ばれてしまうこともある。
また、著名人ほどの影響力はないとしても、共感する情報をそのままリツイートやシェアしてしまった経験は、SNS利用者の多くが経験あることだろう。
いくつかの海外メディアでは、今回のような写真の簡易な誤用対策として、Google画像検索機能を勧めている。これにより、その写真がいつ、どのように使用されていたかなどが分かり、誤用を防ぐことに役立つという。
情報が溢れ、誰もがニュースを投稿できる今、読む側にもメディア・リテラシーが求められている。もし怪しいと思ったら、1クリックする前に、少し真偽をチェックしてみると良いかもしれない。