アメリカンフットボールNFLの王座決定戦・スーパーボウルで、詩人のアマンダ・ゴーマンさんが新型コロナウイルスパンデミックの中で闘う「ヒーロー」たちに感謝を伝える詩を朗読した。
パンデミックの中で開かれた今回のスーパーボウルでは、医療従事者たちへの感謝を示すため、ワクチンを接種した約7,500人の医療従事者が無料で招待された。
バイデン大統領の就任式で詩を朗読して注目を集めたアマンダ・ゴーマンさんも、詩で医療従事者らへの感謝を表明。
朗読したのは「Chorus of the Captains(キャプテンたちのコーラス)」というタイトルの詩だ。
詩の中でゴーマンさんは、教育者のトレメイン・デイヴィスさん、看護師のスージー・デルナーさん、そして退役軍人のジェイムス・マーティンさんの3人に光を当て、「先が見えず助けを必要としている今、率先して行動しインパクトを与える3人のキャプテンに敬意を表したい」と語りかけた。
マーティンさん、デイヴィスさん、デルナーさんの3人は、NFLが今シーズン掲げたメッセージ「It Takes All of Us(皆でやらなければいけない)」を伝える存在として、2021年スーパーボウルの名誉キャプテンに選ばれている。
ゴーマンさんは「彼らは誰よりも早く、期待や限界を超えて、コミュニティや周りの人々を、リーダー、癒し手、教育者として勇気付けてきました」と3人を称賛。
彼らがどう周りの人やコミュニティを助けているかを紹介した後に、「この戦士たちとともに、私たちは歩いていきましょう。闘う彼らと前に進みましょう。彼らの呼びかけに応えましょう」と呼びかけた。
そして「勇気と思いやりの心によって、そして正しい行いによって、私たちは彼らを祝うことができます。今日、彼らに敬意を伝えましょう。彼らは毎日、私たちに敬意を払ってくれているのです」と感謝と協力を訴える言葉で、詩を締めくくった。
なんという時代に生きているのでしょう
スーパーボウルの直前、ゴーマンさんはアメリカ中の人たちが注目するこのスポーツイベントでの詩の朗読をとても楽しみにしているとツイートした。
スーパーボウルでの詩を朗読することは、アートと私たちの国にとっての偉業です。お互いに引き離されているときに、想像力を駆使して人との繋がりを考えられるということを伝えられるのですから。私は、最善を尽くして私たちに手本を示してくれる3人のヒーローに敬意を表します。
アメリカンフットボールの試合で詩の朗読を楽しみにしている人がいると考えると、本当にワクワクする。なんという時代に生きているのでしょう。
22歳のゴーマンさんは1月20日に開かれた大統領就任式で詩を朗読し、大統領選就任式で詩を朗読した最も若い詩人になった。
就任式で朗読した詩「The Hill We Climb(私たちが登る丘)」では、「私たちは過去に戻るのではなく、自分たちが目指す姿に向かって進んでいきます。私たちの国は大きく傷ついています。しかし寛大で勇敢、激しく自由です。私たちは、脅迫されて来た道を戻ったり、歩みを止めたりはしません。なぜなら行動を起こさないことが、次の世代に受け継がれると知っているから」と語り、分断で傷つく国で、一致団結して前に進もうと訴えた。