MLBサンフランシスコ・ジャイアンツのアシスタントコーチ、アリッサ・ナッケン氏が4月12日、女性として初めて、大リーグ公式試合のグラウンド上でコーチを務めた。
この日の試合で、ナッケン氏は前のイニングに退場処分になったアントアン・リチャードソン氏に代わり、1塁コーチをした。
サンディエゴ・パドレスの一塁手エリック・ホズマー選手は、ベースに歩み寄ってきたナッケン氏に敬意を込めて手を差し伸べ、2人は握手を交わした。
ナッケン氏がスポーツ界のガラスの天井を破るのは、今回が初めてではない。
カリフォルニア州立大学サクラメント校ソフトボールチームのスター選手だったナッケン氏は卒業後の2014年に、インターンとしてジャイアンツの運営部門に加わった。
その後2020年1月に、ジャイアンツのアシスタントコーチに指名され、MLB初の女性フルタイムコーチになった。
2020年7月にはオークランド・アスレティックスとのエキシビションゲームで女性として初めて、グラウンド上でコーチを務めたが、公式戦では12日の試合が初めてとなる。
ナッケン氏にとって、2020年の女性初のフルタイムのコーチ就任は、大きな意味を持つものだった。
同氏は今シーズン開幕前、地元テレビ局KGO-TVのインタビューで「子どもの頃からジャイアンツのファンだったので、とても嬉しかった」と語った。
「最初に試合を見に行ったのは、生後3週間の時です。ですから、(コーチ就任は)『女性で初めてなんだ』という気持ちと、『自分の大切な野球チームを代表することになるんだ、なんて光栄なんだろう』という感情が混ざり合ったものでした」
ナッケン氏をアシスタントコーチに指名したジャイアンツのゲーブ・キャプラー監督は、コミュニケーション能力や問題解決力の高さを起用理由に挙げている。
さらに「(女性コーチ起用には)疑問を持つもいるでしょう。それは、ダイバーシティがどれほどリーダーシップにとって重要かを理解していないからです。私たちは、ダイバーシティと勝利は強く結びついていると思います」と述べ、多様性の重要性も強調した。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。