ラグビーワールドカップが9月20日、日本で開幕する。
3連覇を目指すニュージーランド(NZ)代表「ALL BLACKS(オールブラックス)」も9日、事前キャンプのため千葉県柏市へ到着。約2400人のファンが出迎えた。
NZ代表到着前、市内の子どもたちが披露したオリジナルの「柏ハカ」の動画が大会公式ツイッターに投稿され、11日午後6時時点で180万回以上再生されている。(※音量注意!)
子どもたちによる柏ハカは、9日午後8時ごろ、代表が宿泊する「三井ガーデンホテル柏の葉」前の広場で披露された。
実はNZ代表の到着は当初、午後6時ごろを予定していた。
だが交通渋滞などにより到着が大幅に遅れ、広場に集まった2400人のファンの間でも不穏な空気が流れていた。
そこへ「柏ラグビースクール」の子どもたちが、コーチの呼びかけに応じて、急遽ファンの前で柏ハカを披露したという。
子どもたちはもともとハカを披露する予定はなく、NZ代表を一目みたいとホテル前に集まっていた。
その場に居合わせた柏市の広報担当は「はっきりしたアナウンスもなく、集まった人たちも『いつ来るんだ』と疲れていたが、子どもたちが柏ハカを披露してくれると拍手喝采で盛り上がり、温かい空気に包まれました」と話した。
その後午後8時半ごろ、NZ代表は無事にホテルへ到着。集まったファンたちは、選手らとの交流を楽しんだという。
子どもたちがハカを踊れた理由
ハカとは、ニュージーランドの先住民族マオリ族による舞踊。
本来はマオリ族の戦士が戦いの前に自らの力を誇示し、相手を威嚇する舞踊。
ラグビーNZ代表が試合前に行うことで有名だ。
「柏ハカ」は、柏市オリジナルバージョンのハカ。
柏市ラグビー協会の関係者が、NZの都市オークランドのラグビー協会と交流があり、柏市がオールブラックスの事前キャンプ地に決まった後も様々な交流活動を行ってきた。
今年3月、オークランドのラグビーコーチが柏市を訪れた際、ラグビーを習う子どもたちがNZ国歌を披露。
そのお返しに、マオリ出身のコーチが、オリジナルの「柏ハカ」を制作し市へプレゼントしたという。
柏ハカの歌詞には、マオリ語で「鼓動する柏の大地よ」や、柏市のあけぼの山農業公園に咲く約16万株のチューリップをイメージした「我々はチューリップから真っ赤に燃えるように勇気と名誉をもって立つんだ」といった言葉が入っている。
柏ラグビースクールの生徒らは、事前にあったイベントで柏ハカを披露していたため、急遽でも踊ることが出来たのだという。
事態を知ったNZ代表のスティーブ・ハンセンHC(ヘッドコーチ)は地元メディアに「素晴らしい歓迎を受けた、本当に驚いたよ!」と話した、と伝えている。
柏市によると、事前キャンプを行う市内の練習場や宿泊施設は、幸いにして台風の被害をあまり受けていないという。
NZ代表は14日まで柏市内で事前キャンプを行った後、21日に横浜市の日産スタジアムで南アフリカ代表との初戦を迎える。