2012年にアメリカ・コネチカット州で起きた児童20人を含む26人が犠牲になった銃乱射事件について「でっちあげだ」などと主張していた極右の陰謀論者として知られる被告に対し、アメリカ・テキサス州裁判所の陪審員は8月4日、410万ドル(約5億4560万円)の補償的損害賠償支払いを命じた。
裁判では、事件で6歳の息子ジェシーさんを失った両親が、被告を名誉毀損で訴えている。
5日には、懲罰的損害賠償金の支払い額も言い渡される予定だ。
さらに、原告の弁護士マーク・バンクストン氏は「他にも、150万ドル(約1億9960万円)の制裁金を支払わなければならない」とハフポストUS版に話した。
「事件は作り話」主張を続けてきた
この事件は、2012年にコネチカット州のサンディフック小学校に男が押し入り、銃を乱射したもの。20人の児童を含む26人が犠牲になり、男はその場で自殺した。
これに対し、極右陰謀論者として知られるアレックス・ジョーンズ被告は、自身が所有・運営するウェブサイト「インフォウォーズ」などで「事件は、銃規制を狙う政府の作り話」「犠牲者の遺族はクライシスアクターが演じている」などの陰謀論を主張してきた。
それが原因で、遺族に殺害予告が送られるなどのハラスメントも起きている。
ジョーンズ被告は、今回を含む複数の名誉毀損裁判で訴えられたものの、文書提出や出廷に応じず敗訴している。
5日に言い渡される懲罰的損害賠償金の支払額は、ジョーンズ被告の資産を元にして決められる。
インフォウォーズは会社更生手続きを申請しているが、同サイトがサプリメントやサバイバル用品の販売で、多い時には1日に80万ドル(約1650万円)を売り上げていることがわかっている。
原告の弁護団は、ジョーンズ氏の資産について証言する専門家を法廷に呼ぶ予定だ。
バンクストン弁護士は「これから懲罰的損害賠償金が言い渡されます。また、他にも複数の名誉毀損裁判が起こされていることを考えれば、ジョーンズ氏のアメリカでの時間が終わりに近づいていることは明らかだ」と述べている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。