クリスマスパーティの季節が迫る中、二日酔いを心配する人もいるだろう。
12月を通じてお酒を大いに楽しみながら、頭痛(もしくはそれ以上の症状)を避ける絶対的な方法はあるのだろうか?
明らかな対策はいくつかある。アルコールを完全に避ける。飲む量を減らす。飲む前に食べる。飲酒の間に水を1杯飲む、など。しかし、二日酔いの悪化を避けるための科学的な方法もあるかもしれない。そしてそれは興味深いことに、お酒の色に関係している。
二日酔いに関する研究はかなり限られているが、アルコール飲料に含まれる不純物「コンジナー」が多いほど、ひどい二日酔いになる傾向があることはよく知られている。コンジナーは、アルコールの製造過程における発酵や蒸留で生まれる副産物。アルコール飲料の中には、他よりもコンジナーの濃度が高いものがある。そして、濃度は酒の色に関連する傾向がある。
ブラウン大学の研究グループが、2日間の飲酒について21~33歳の95人を追跡調査した。全員が「健康な大酒飲み」と分類されていた。
最初の夜、調査対象者はバーボン(コンジナーが多い)もしくはウォッカ(コンジナーが少ない)を飲んだ。2日目の夜はプラシーボを飲んだ。研究の結果、二日酔いのひどさはコンジナーの多さと関連していた。ウォッカと比較して、バーボンはあらゆる二日酔いを引き起こす可能性が高かった。
この法則を別のアルコール飲料に当てはめてみる。すると、赤ワインやバーボン、ブランデー、ビール、ウィスキーといった暗い色のお酒が、ジンやウォッカ、白ワインといった明るい(もしくは澄んだ)色のお酒と比べて頭痛を起こしやすい理由がいくらか説明されるだろう。
この研究では、「気分が悪くなる」タイプや頭がガンガンするタイプ、人生の中で1番の疲労を感じるタイプなど、二日酔いの種類とコンジナーの量の関連については明らかにされなかった。
職場のパーティーでは色の濃いアルコール飲料を避けて、最善の結果を期待するのが得策かもしれない。しかし『Drinkology: The Science of What We Drink and What It Does to Us(飲酒学 ー 我々が飲む物とそれが我々に与える影響の科学)』の著者アレクシス・ウィレット氏によれば、二日酔いに関しては、実際多くの要因が影響しており、私たちはその要因すべてに気を付けなければならないとのことだ。
「かなり大きな個人差があります。アルコール代謝があまり良くない人もいますしー飲酒すると顔が赤らんできて真っ赤になる人ですー こういった人たちが翌日とてもひどい二日酔いになりがちです。アルコールにとても敏感な人もいるし、まったく影響を受けない人もいます」とウィレット氏は説明している。年をとるほど二日酔いがひどくなるのは言うまでもないことだ。
そして、その個人の違いはお酒の種類に関係なく起こる、とウィレット氏は話し、ブラウン大学の研究についても、結論はまだ下せないと言う。「こうしたもの(コンジナー)がなんらかの点で二日酔いに影響を与える可能性を感じる人たちもいますが、結果は実際一貫しておらず、これは事実ではないと考える人たちもいます」
アルコールにはその他にもヒスタミンのような化学物質が含まれており、アルコールの種類が違えば含まれる物質の量も様々だ。「そうした物質は頭痛や鼻水、目の痒みを引き起こすことがあります。赤ワインとシャンパンにそうした物質はたくさん含まれていますが、他の種類の飲み物にはあまり含まれていません。だから、そこで何かが起こっているのかもしれません」とウィレット氏は言う。
ヒスタミンはチーズ、加工食品、トマトなど私たちが食べる多くの物に一般的に含まれている。だから、あなたはその日そういったものを食べていたせいでヒスタミン濃度が高くなっていて、アルコールが最後の一押しとなった結果、あなたの頭はズキズキ痛むことになる。
保存料として使われる亜硫酸塩も責めを負うべきかもしれない。亜硫酸塩過敏症では、めまい、喘息、痒み、胃のむかつきなどの症状が、ワインやビールを飲んだ数分以内に発生することがある。これは翌日に激しい二日酔いを経験する人がいる理由の説明にもなる。しかし、具体的な証拠はまだない。
The Institute of Alcohol Studies(アルコール研究所)は、二日酔いは年間最大14億ポンド(約2000億円)の経済的負担を生じさせると推定しており、これは十分頭痛の原因となる。
ウィレット氏は「現時点では、実際に二日酔いを起こす原因が何なのか私たちはまだ分かっていません」と話す。「だから、解明すべき事実がたくさんあるのです」
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。