ドラマ『リーチャー ~正義のアウトロー~』などの出演で知られるアメリカの俳優のアラン・リッチソンさんが、著名な写真家から性的暴行を受けた過去をハリウッドリポーターのインタビューで明かした。
リッチソンさんは俳優になる前、アバクロンビー&フィッチやカルバン・クラインなどのファッションブランドでモデルをしていた。
このモデル時代に有名な写真家にロサンゼルスで性的暴行を受けたという。
「ヌードの撮影をすればギャラが高い雑誌とアパレルの仕事をオファーしてもらえるという約束で、ホテルの部屋に行くよう言われました。そこで、その男に性的暴行を受けました」とインタビューで語った。
リッチソンさんはホテルの部屋を出て、事務所に直行したという。
「私は事務所に飛び込み、『なんであそこに行かせたんだ。何が起きるかわかっていて、それでも行かせたのか』と言いました。(エージェントは)ばれたかとでもいうような笑みを浮かべて『大したことじゃない、落ち着いて』と言いました」
「『もうあそこに行かせることはないから。あの写真家は少々攻撃的になることがある』と言ったんです」
リッチソンさんは事務所で一番高いギャラをもらっていたが、その場でモデルの仕事を辞めたという。
同じタイミングで俳優の仕事をオファーされて役者に転身したものの、性的暴行は心に傷跡を残し、その後メンタルヘルスの問題と重なって2019年に自殺未遂をしたとも明かしている。
リッチソンさんはホテルの部屋で性的暴行をした写真家の名前は明かしていないものの、2014年のパリ・ファッションウィークのディナーで、「写真家のマリオ・テスティーノから性的ハラスメントを受けた」と話している。
「ディナーの間、ずっと彼がテーブルの下で私の股間を触ろうとしたので、私は『触らないでください』と言いました」
「『私はあなたの“物”ではない。もうそんな扱いをされない』と言いましたが、彼はそれを楽しんでいました」
リッチソンさんは、ディナー後にホテルの部屋に誘われ、性的関係を持てば『ヴォーグ』の表紙に載せると言われたが断ったと述べている。
テスティーノ氏は2018年に、複数のモデルやアシスタントから性的ハラスメントを告発されている。
リッチソンさんの訴えについて、ハフポストUS版がテスティーノ氏の代理人にコメントを求めたがこれまでに回答はない。
リッチソンさんは、当時モデル業界では「仕事をもらうために写真家やエージェントの機嫌を損ねないように気をつけなければならず、レイプされない方法を考えなければならなかった」と振り返っている。
また、権力がある人からの性暴力にさらされている多くの女性たちに共感するとも語っている。
「私にとっても不公平ですが、私の場合はまだ、殴り合いをして部屋から出ることはできます。でもほとんどの女性には、そのような選択肢はありません。それはどんなに恐ろしいことだろうと思います」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
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