ウィル・スミスが明かす実写版『アラジン』が面白くなるトリビア 「青いジーニーはすべてCG」
先週7日に公開され、最初の3日間で動員数約96万人、約14億円を記録し、実写版『美女と野獣』を上回る大ヒットスタートを切ったディズニー映画『アラジン』(公開中)。5月にプロモーションで来日した、ランプの魔人ジーニー役のウィル・スミスが話していた、実写版『アラジン』がますます面白くなる裏話を紹介する。
■青いジーニーは100%CG
「青いジーニーは100%CGです。僕が全身青く塗りたくっていると思っている人が多いけど、青い時はCGなんです。どれだけ、CGの技術がすばらしいか! CGキャラクターだったからこそ、せりふを何回も変えることができたし、もっと面白くしたから、こうしてくれる? なんて、リクエストもできたんだ」
■「フレンド・ライク・ミー」ヒップホップなノリの元ネタは?
「世界中に愛されているディズニー・アニメーション映画『アラジン』の中でも特に愛されているのが、ロビン・ウィリアムズが命を吹き込んだジーニーです。人はノスタルジーを感じるものが壊されると、怒りの感情が湧くものでしょう。ロビン・ウィリアムズのジーニーにオマージュを捧げつつ、自分自身の新しいジーニー像を作り上げる、この両方を成し遂げなければならい。オファーを受けた時は、正直、ナーバスになったよ」
そんなウィルの背中を押したのが音楽。魔法のランプから飛び出したジーニーが自己紹介を兼ねて披露する「フレンド・ライク・ミー」。アニメーション版ジーニーのハイテンションな歌いっぷりを踏襲しつつ、ヒップホップ調に新たにアレンジしたのは、全米No.1ヒットを持つラッパーでもあるウィルだった。
「OKを出す前に、プロデューサーの前でいろいろ試しながら『フレンド・ライク・ミー』を歌ってみたんだ。オールドスクール(ヒップホップ創成期)の名曲、ハニードリッパーズの「Impeach The President」のドラムスを入れてみた瞬間、これこそ僕のやりたいジーニーだ、というのが見えた。「I Know You Got Soul」(Eric B & Rakim)もインスピレーションを与えてくれたね。ジーニーはランプの中という狭いスペースに1万年も閉じ込められていたんだ。音楽によって、外の世界に出たら思いっきり楽しみたい、楽しいことが大好き、パーティー大好き、といったキャラクターが生き生きと浮かび上がってきました」
■ジャスミン役のナオミ・スコットは「自分の意見を持っている女性」
ジャスミン役に抜てきされたのは、『パワーレンジャー』(2017年)でピンク・レンジャーを演じ、新生“チャーリーズ・エンジェル”でエンジェルの一人に選ばられるなど、今後のハリウッドでの活躍が期待される英国出身のナオミ・スコット。
「ナオミ・スコットは、しっかりと自分の意見、ジャスミンをどう演じたいか、というアイデアを持っている女性でした。アニメーション版との決定的な違いは、ジャスミン自身が、国王である父の後を継いで、国の人々を守り、幸せにしたいと思っているところ。ジャスミンをどう描くか、これは現場でもかなりディスカッションをしました。女性の生き方や、男女平等など、現代的の理想をいっそう濃く反映していると思います」
■アラジン役のメナ・マスードの殻を破って「もっと楽しもうよ」
一方、アラジン役のメナ・マスードもオーディションを経て選ばれた。テレビシリーズ『トム・クランシー/CIA分析感 ジャック・ライアン』(18年)に出演していた、カナダ出身の27歳。ハリウッド映画では初めての大役だ。
「メナは、とても真面目な俳優。緻密な役づくりですごく準備してきていた。しっかり、アラジンとしておさまっていたからこそ、逆にその殻を破らせようとしたんだ。もっと楽しもうよ、って。アラジンがアリ王子として初めて宮殿で国王やジャスミンに謁見するシーンで、ジャムの話をするところがあるんだけど、あの掛け合いの時、すごくいいケミストリーが生まれた気がしたんだよね。焦りや不安でアラジンの素が出ちゃう感じが、すごくよかったよね。あれで、メナ自身も心を開いてくれたと思う」
■ジーニーが愛される理由
「ジーニーは、ご主人様のためにエネルギーをすべて注ぎ、見返りを求めず、与えるだけ、これこそ愛だと思う。誰もが、ジーニーのような人がそばにいてくれたらいいな、と思うだろう。3つも願いをかなえてくれるんだ、それも最も理想的な形で。一方で、人はジーニーのように、誰かのためになりたい、愛を与えたいという欲求もある。その両面を持ち合わせているのがジーニーだと思います。
忘れてはならいのが、彼は囚われの身であるということ。その運命を受け入れて、ご主人様に尽くすんだ。誰にだって手かせ、足かせになっているものがある。僕自身、ウィル・スミスという存在が手かせ足かせになっているよ。自分がこれまで作り上げてきたキャリア、音楽で成功して、ムービースターになって、出演した映画がナンバー1になって…。いつの間にかウィル・スミスではあっても、自分らしくないと感じるようになっていた。ここ何年か、ウィル・スミスから自由になろうとしているところなんだ」
「自由になりたい」というジーニーの願いに共鳴する人も多いのかもしれない。
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