「なぜ戦争は終わらないのでしょうか?」10代の直球質問に池上彰は…

池上彰は「本当に究極の問題で、簡単に答えることができない」と前置きした上で、次のように続けた。
池上彰氏(撮影=2014年4月6日)
池上彰氏(撮影=2014年4月6日)
Getty Images

「なぜ戦争は終わらないんですか?」10代の直球質問に池上彰は...

■5分で読める!『教えてもらう前と後』

 10月にスタートしたMBS・TBS系『教えてもらう前と後』(毎週火曜 後8:00※19日は休止)。「教えてもらった前と後で、見る目が変わります!」を合言葉に、MCの滝川クリステルと「知のビフォーアフター」を体感する番組。12日の放送では、ジャーナリストの池上彰氏が出演し、無双ぶりを発揮していたのだが、10代の若者からの素朴な疑問に答えるコーナーのある質問に対してだけ、「本当に究極の問題で、簡単に答えることができない」と、表情を曇らせていた。

 その質問者は、卓球の早田ひな選手(17)。11月19日、伊藤美誠選手と17歳同士でコンビを組んだ早田選手は、世界ランキング1位と2位の最強中国ペアと激突。下馬評を覆して優勝し、世界に衝撃を与えた。多い時で練習は1日12時間。さらに、世界中を遠征する日々を送る早田選手からの質問は、「なぜ戦争は終わらないのでしょうか」。

 戦争や紛争地域出身の選手は、道具がそろわずハンデを背負っていることが多い、そんな状況を間近で見て、「戦争はなぜ終わらないのか」と感じたという早田選手の質問に「本当に究極の問題で、簡単に答えることができない」と前置きした上で、次のように続けた。

 「昔、貧しい時代を生きていくために、食料が必要だから領地を確保するために戦争をしてきました。つまり戦争が頻繁に起きてきた地域は、土地が豊かだという証拠。現代においては、宗教の違いで戦争が起きていると言いますけれど、結局は土地争いなんです。さまざまな資源や食料を独り占めしたいという思いがあると、こうやって紛争は長く続くんです。逆に言えば、そういう事がないように努力することで戦争は起きないんです。資源やエネルギーを一緒に管理しましょうと仲良くしているヨーロッパでは、いま戦争が起きていませんから」。

 ほかにも、ゴルフの石井理緒選手(17)から「いつ使うかわからないのに、数学の勉強は必要?」という質問に、ビートたけしが「映画の制作に因数分解が役立っている」と話していたことを紹介しつつ、「物事をわかりやすく理解する能力は、因数分解で身につくと思っています」と回答していた。

 池上氏は「皆さんからの質問を聞いて、なるほどそういう質問が出るのかとか、説明しようとしたけれども、そういえば自分はこういうことを知らないんだと気づかされたりもします。モノを知らない人は、自分がモノを知らないということに気がつかないんですね。でも今回、いろいろなことを知った一方で、いろいろなことを知らないなということにも気がついたと思います。ここが第一歩なんです。自分はモノを知らないということを知れば、ここから先に進んでいくことができますよね」とコメント。それをひと言で言うと「無知の知」。池上氏自身が好きな言葉だという。

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