話題騒然、ロボットレストランの女性戦士がAKB48に挑戦状!?

ティム・バートン、J.J. アブラムス、ケイティ・ペリー、映画やミュージックシーンにおけるトップネームの彼らといえば、オーバー・ザ・トップ(=やり過ぎ)なまでにファンタジックな世界観で知られている。そんな彼らが日本に来た際、こぞって訪れるハイパークレイジーなパフォーマンスショーが新宿にあるという。

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ティム・バートン、J.J. アブラムス、ケイティ・ペリー、映画やミュージックシーンにおけるトップネームの彼らといえば、オーバー・ザ・トップ(=やり過ぎ)なまでにファンタジックな世界観で知られている。そんな彼らが日本に来た際、こぞって訪れるハイパークレイジーなパフォーマンスショーが新宿にあるという。

新宿の歓楽街にあるロボット・レストラン は、東京の東側で行われている AKB48 のショーに対抗する目的で立ち上げられた。 今や日本のポップシーンを代表するアイドルグループとして、2012年にはレコードの総売り上げが226億円にも上るAKB48は、もともと89名の一般人女性から成るチームであり、秋葉原の劇場で毎夜パフォーマンスを繰り広げていたことで知られている。

ロボットレストランでは開店直後、予期せぬことが起こった。 「最初は海外の方がこんなにいらっしゃることを想定していなくて、AKB48みたいにここの女の子に魅力を感じてくれるサラリーマンがターゲットだったので、びっくりしました」とレストランの広報担当である伊藤由美氏は語る。

ロボットレストランは実のところレストランとは言いがたいのだが、 「女が戦う」と書いて「女戦」という女性のダンスチームが発端だったという。「レストランという名前にしたのは、 家族連れなどのお客様にも御来店いただき、馴染み深くしようという経緯があります」 と伊藤氏。さらに、現在の弁当スタイルの食事はまだ未完成品で、これから改善していきたいとも語ってくれた。

一日三本のショーはそれぞれ約1時間ほどの長さ。 入り口から地下へとつながるエレベーターにはけばけばしい大胆な装飾が施されていて、ステージの両サイドに座席が並べられている。ランウェイのようなこのステージではタンクやロボット、飛行機、エレクトロニックな乗り物に加えて、牛、パンダ、恐竜なども行き交う 。

「スタッフは機械オペレーターも含めて50名ほどおり、ダンサーは30名で、毎日15名がパフォーマンスに出演しています」と伊藤氏は説明する。

女戦のダンサーたちは、「きれいな女性がたくましく戦う姿でみんなに元気を与えたいという思いから始まりました。オーディションもありますし、常に毎日レッスンをしている女性のたくましさを見せたいという思いがあります 」と語る伊藤氏。

女戦のダンサーの一人である20歳の乃愛(のあ)は、日本人も外国人も発音しやすいという理由でこの名前を選んだという。母親がダンスのインストラクターというダンサー家系の出身で自然とダンサーになった乃愛だが、歓楽街である歌舞伎町にあるロボットレストランで働くことに対して初めはとまどいを感じたと言う。

「最初は抵抗があったけど、ここのショーを最初に見学させてもらったときにみなさんの笑顔を見て、すごく楽しそうだったし、自分もやってみたいと思いました」 と語る乃愛。

同レストランでのみ仕事をしているダンサーもいる傍ら、乃愛のように他のイベントに出演するダンサーもいる。ダンスのショーケースでも受賞歴があり、海外でもショーを行い演技も指導するスタジオの一員である乃愛の得意ジャンルはジャズ。その他ストリートダンスと日本の伝統である"よさこい"にも精通する彼女は「女戦に入ってから1年ほど経ちますが、和太鼓とかロボットに乗ったり、普段できないことができることや、自分の違った一面を皆さんにお見せできるところが好きです 」と語る。

AKB48と同じく、各ダンサーにはそれぞれファンが多数定着しており、ショー中には壁一面に並べられたテレビスクリーンにダンサーの名前がそれぞれ映し出される。伊藤氏によると、「お気に入りの女の子と写真を撮って、それをソーシャルメディアにアップするお客様がたくさんいます」とのこと。

しかし、ショーに訪れる客層は実に幅広く、家族連れから海外からの観光客、そしてコアなローカルファンまで様々な面々が見られる。 「これほど海外の方がいらっしゃると思わなかったので、ご案内も最初は日本語だけだったんです。あとから全部英語も入れるべきだということで、アナウンスもパンフレットもチケットも全て英語を入れることにしました。オープンから三ヶ月ほどたって、お手洗いはこちらです、お食事はこちらです、お帰りはこちらです、という風に全ての案内に英語をつけました。ダンサーもやっぱり英語が話せないといけないですね」と話す伊藤氏。

イギリスのロックバンド、Museもここでミュージックビデオを撮影した。「有名な方とかが来たときは更衣室でみんなキャーキャー言ってます」と語る乃愛。

「ティム・バートンやJ.J. アブラムスなどの映画監督もものすごく喜んで下さって。 他にもクリエイターと呼ばれる方が多くてびっくりしています」と伊藤氏。

ショー自体は毎月変更されるが、新しいロボットやテーマ、そしてチャンバラやアスレチックなどの大きな変化は3ヶ月に1度ほど。ダンサーたちは、これ以外にもネオンタンクの上や、バイプレーンからぶら下がって踊ったりもする。

プロデューサーが全てを総括するAKB48のやり方とはちがって、ロボットレストランでは「プロデューサーが新しいロボットを組み込もう、大きな太鼓を宙に浮かせようというアイデアを出して、彼女たちがチームでそれを再現していくのが我々のやりかたです。誰かがつくったというのではなくて、どちらかというと、機械を動かすオペレーターやダンサー、プロデューサー、みんなでつくっています」と伊藤氏は説明する。

「例えばドラムができるダンサーだったり、すごく身体能力が高いダンサーだったり、それぞれがパフォーマンスでできることを生かしてやっています」

ロボットレストランは成功しているにも拘らず、AKBのように他都市に拡張する予定はないという。同レストランのオーナーは元々ホステスバーを経営していたが、「歌舞伎町は日本一の歓楽街としてかつては言われていましたが、景気が悪くなってどんどん元気がなくなってきたので、歌舞伎町からもっと日本をまた盛り上げたいという思いがありました」と語る伊藤氏。

(※この記事は2013年11月30日のBLOUIN ARTINFO「話題騒然、ロボットレストランの女性戦士がAKB48に挑戦状!?」から転載しました)

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