ベッドの落下防止柵(ベッドガード)とマットレスの隙間に頭が落ち込んでしまい、赤ちゃんが死亡する事故があった。
消費者庁が5月18日、重大事故として公表した。
同じような痛ましい事故は過去にも起きており、同庁も繰り返し注意喚起を行っている。
かけがえのない子どもの命を守るため、どのようなことに気をつければいいのだろうか。
落下防止柵とマットレスの間に……
消費者庁によると、兵庫県で5月8日、大人用のベッドに取り付けた落下防止柵とマットレスの隙間に赤ちゃんの頭が落ち込んだ。
赤ちゃんは息ができない状態だったとみられ、病院に搬送されたが、その後に死亡が確認された。
同様の死亡事故は過去にも起きている。
消費者庁などが運営する「事故情報データバンクシステム」で「ベッド、柵、死亡」と検索すると、この事故以外に3件ヒットした。
自力で脱出できずに死亡か
具体的な事故の内容は次のとおりだ。
2020年1月、兵庫県で乳児(5か月)がベッド用落下防止柵とマットレスの隙間に挟まれ、死亡した。
柵とマットレスの隙間は約3センチで、強い負荷がかかると12センチまで隙間が広がった。
乳児は全身が隙間に落ち込んだが、自力で脱出できず、窒息したとみられる。
なお、柵の取扱説明書には「生後18か月未満の子どもには絶対に使用しない。重大な事故につながるおそれがある」などと記載されていた。
東京都でも2017年9月、乳児(6か月)がベッドガードとベッドの隙間に挟まった状態で発見され、死亡した。
この事故でも、ベッドに取り付けたベッドガードとベッドの間に隙間が生まれ、そこに乳児が挟まっていたという。
ベッドガードの対象年齢は18か月以上と記載されていた。
「できるだけベビーベッドに」
一般財団法人製品安全協会が定めた安全基準(SG基準)では、ベッドガードの使用年齢は「生後18か月以上」と定めている。
消費者庁の担当者も、ハフポスト日本版の取材に「子どもが満2歳になるまでは、できるだけベビーベッドに寝かせてほしい」と話した。
また、同庁は就寝中の子どもの事故が相次いでいるとし、次のような注意を呼びかけている。
・子どもの顔が埋もれないように、敷布団やマットレスは硬めのものを使用する
・1歳になるまでは、あお向けに寝かせる
・かけ布団は子どもがはらいのけられる軽いものを使う
・寝ている子どもの顔の近くに、口や鼻を覆ったり、首に巻き付いたりするようなものは置かない
・18か月未満の子どもの場合、ベッドガードは使用しない