うわさどおり、アップルが純正ワイヤレスイヤホン AirPods の上位モデル AirPods Pro を発表しました。
最大の特徴は、内外の音をマイクで聞き取り逆位相の音で打ち消す、アクティブノイズキャンセル(ANC)機能に対応したこと。
AirPodsも有線版のEarPodsも、よく言えば開放感があって外の音も聴き取れる、悪くいえば音漏れ上等な装着感が特徴でしたが、AirPods Proはノイキャン対応に伴い遮音性のあるイヤーチップを採用。
これでうるさい場所でも耳栓として使えるようになりました。周囲の音を聞き逃したくない場合は、マイクで拾った音を透過する「外部音取り込みモード」にもワンアクションで切り替えられます。
AirPods Pro の価格は税別2万7800円。発売は10月30日。
そのほか主な仕様は、
・Bluetooth 5接続
・一回の充電で最大4.5時間聴ける本体内蔵バッテリー(ANCオン時、オフなら最大5時間)
・最大3.5時間の連続通話
・付属充電ケース併用で24時間以上再生、18時間以上通話
・充電ケースに5分間入れて約1時間の再生
・充電ケース自体の充電はLightning端子のほか無線Qi対応
・アップル H1チップ
・IPX4 耐汗耐水性能
・本体重量 5.4g(片方)
・長さ30.9mm
・ハンズフリーの Hey Siri 対応
・大小三種類のイヤーチップ付属
本体は従来モデルの4gから1.4gほど重くなり約5.6gに。参考までに、アクティブノイズキャンセリング対応の完全ワイヤレスイヤホンとして大人気のソニー WF-100XM3は片方約8.5g。
耳に挿入する部分の形状が変わったほか、耳から伸びた軸部分も従来の非Proモデルより約1cmほど短くなりました。
従来のAirPodsは当初、耳から伸びた軸部分がうどん!きしめん!恥ずかしい!等々と、新奇な製品の常として散々に拒絶のお気持ち表明を受けたものの、他社製品を含め完全ワイヤレスイヤホンが当たり前に便利な日常品として普及するにつれて、逆に敢えて目立たせるステータス的な存在になり、かと思えばそれも一瞬で通り過ぎて、いまでは特に誰も気にしない「アップルの無線イヤホン」に、と変遷してきました。
Proでも耳から軸が伸びるスタイルは変わらないものの、ノンプロよりは控えめです。
感圧スイッチ新設。ノイキャンと外部音取り込みを即切り替え
長さ以上に重要な点として、Proでは軸部分に感圧式のスイッチを新設。再生停止やスキップ、長押しで外部音取り込みモード切り替えなどの操作に対応します。
従来モデルは物理的なスイッチやセンサを備えず、本体をタップすることで加速度を検出して操作していましたが、カナル型でこそないにしろ耳の穴に挿したものを叩かせるという、原理的に快適ではない操作方式でした。
プロではさすがにマイクを叩かせるのは避けたかったのか、軸部分に感圧式のスイッチになりました。
耳栓型イヤホンでは、特にノイズキャンセルや装着感が優秀であるほど、いちいち着脱せずに環境音を聴き取るパススルー機能が欠かせません。
そして外部音取り込み/パススルー機能にとって重要なのは、超高性能な人間の耳にとってできるだけ自然に、不快でないかたちで外部の音を聞かせるか、そしていかに素早くオンオフを切り替えられるか。
Siriに頼んだりiPhoneやWatchにふれることなく、音声メニューをじっと聴いて待ったりすることもなく、物理的にすぐ切り替えられるのは好印象です。
Pro の命名が示すとおり、AirPods Proは従来の無印ノンプロAirPodsの上位版として併売になります。
(更新中)
(2019年10月29日 Engadget 日本版「速報:アップルAirPods Pro発表。ノイズキャンセルと遮音チップ採用、2万7800円で10月30日発売」より転載)
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