エアコンは「つけっぱなし」or「こまめに消す」のどちらが正解? 夏の電気代を抑える4つのテク

夏の日中の消費電力の約58%を占めるエアコン。エアコンを効率的に使うことで、電気代も安くなり、気候危機対策にもなります。
Woman turning on air conditioner with remote
Woman turning on air conditioner with remote
bymuratdeniz via Getty Images

今年も厳しい暑さが続く夏となりそうです。

コロナ禍の影響で自宅でエアコンを使う時間が増え、電気代が気になるという人も多いのではないでしょうか。エアコンは消費電力の最も多い家電のひとつで、在宅家庭における夏の日中の消費電力の約58%を占めるという調査もあります。

電気代をできるだけ抑えて、エアコンを効率的に使うコツは?

大手エアコンメーカーのダイキンとパナソニックの取材協力のもと、すぐに生活に取り入れられる4つのポイントを紹介します。

ポイント1 30分以内の外出ならば、エアコンは「つけっぱなし」にするが正解

「エアコンはこまめに消すように」と教わったことがある人も多いはず。しかし実は、頻繁にオン・オフを繰り返すことで、むしろ電力を余計に消費してしまう可能性があります。

なぜなら、エアコンは、室外の温度と設定温度の差が大きい運転直後の電力消費量が最も多いからです。その代わり、いったん設定温度に到達すれば、あとは温度を維持するための「弱運転」になるため、電力の消費量は低くなります。

それでは、「つけっぱなし」にするかどうかの判断目安は?

2社によると、部屋を離れる時間が「30分以内」であれば、つけっぱなしのほうが節電につながる可能性が高いとのこと。※

同じ理由から、換気時もつけっぱなしにして大丈夫です。

「換気する際には、エアコンが熱い空気を吸い込むと消費電力が上がってしまうため、エアコンからなるべく遠い位置にある窓で換気をするのがおすすめです」(パナソニック株式会社 エアコン担当 エアーマイスター 福田風子さん

※気温や家の断熱性などの条件によって、「つけっぱなし」が節電につながる目安の時間は変動します。

ポイント2 扇風機やサーキュレーターと併せて使う

エアコンの設定温度が1度違うだけで、消費電力が約10%変わるとされています。

熱中症の危険もあるため、暑さを我慢するのは禁物。しかし、ただちに設定温度を下げる前に、部屋の環境を整えたり、扇風機やサーキュレーターを併用したりすることで、エアコンを効果的に使う工夫もしてみましょう。

室内は、遮光カーテンや日射遮断フィルムなどを使用して、窓から入る太陽光などの輻射熱をできるだけ遮るようにしましょう。

扇風機やサーキュレーターは、部屋の「空気のムラ」を解消するのに使うのが効果的です。

「エアコンは風向を上向きにし、冷気を天井方向に当てるように設定してください。その上で、扇風機やサーキュレーターを、エアコンから来る風を背に設置します。ヘッド部分を天井方向に向けて、下に降りてくる冷気を押し上げるように運転させましょう」(パナソニック 福田さん)

こうすることで、温かい空気が天井側に、冷たい空気が床側に集まってしまう室内の「空気のムラ」を解消し、部屋全体に涼しい空気を循環させることができるそうです。

ポイント3 フィルターの掃除頻度は「2週間に1回」

フィルターにほこりが溜まっていると、エアコンが部屋の空気を吸い込む効率が落ち、その分無駄に電力を消費してしまいます。ダイキンの調査によれば、1年間全く掃除をしないと約25%も消費電力がかさむそうです。

2社によると、フィルター清掃の理想的な頻度は「2週間に1回」。

最近では、自動掃除機能が搭載されているエアコンも販売されているので、掃除をつい忘れがちな人は、新品を購入する際の基準にしてもいいかもしれません。

ポイント4 室外機の周りには「もの」を置かない

室外機の吹き出し口の周辺に物を置いたり、室外機の周りをカバーで覆っていたりしていませんか?

室外機は、部屋の中の熱を外に捨てる役割を果たします。そのため、吹出口が塞がれると、放出した熱風を再び吸い込んでしまい、冷却効率が下がってしまうのです。室外機の前はできるだけ風通しを良くし、空気がスムーズに循環するようにしましょう。

同様の理由から、室外機をできるだけ直射日光に当たらないところに設置したり、日陰を作ったりすることも大切です。

「竹や藁など自然素材で編んだ『よしず』を、室外機から1メートルほど離したところに立てかけると、風通しの良い、理想的な陰を作ることができます」(ダイキン工業 広報グループ 重政周之さん

エアコンの節電は、気候危機対策にもつながる

節電は、電気代の節約のためにはもちろん、気候危機対策としても大切です。国際エネルギー機関(IEA)によると、日本では2020年、電力の約7割が石炭や石油、天然ガスなどを燃やすことによる火力発電によってまかなわれており、大量の二酸化炭素を排出しているからです。

長期的には、二酸化炭素の排出量が低い再生可能エネルギーに置き換えていくことが必須ですが、現状では生活者の節電努力も欠かせません。

身近なエアコンの使い方から、気候危機対策へのアクションを始めてみませんか?

「再エネ後進国・日本」は変われるのか?
「再エネ後進国・日本」は変われるのか?
Yuki Takada / Huffpost Japan

暑い夏。毎日のように使うエアコンの「コンセントの向こう側」を考えたことはありますか?

エアコンを動かす電気は、約7割が大量のCO2を排出する石炭や天然ガスなどの火力発電によるもの。日本は「石炭火力発電への依存度が高く、再エネに消極的」と国際社会から批判受けています。

気候危機が叫ばれる今、脱炭素の鍵を握るのが「再生可能エネルギー」。

菅首相が2020年に「2050年までに脱炭素」を宣言したことで、今ようやく再エネ普及の機運が急速に加速し始めています。「再エネ後進国・日本」は変われるのか。ハフライブで考えます。

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