AIが乳がんを診断
自ら学習し、成長する能力を持つ人工知能(AI)の、医療への活用が進んでいます。
日本最大級の研究機関、産業技術総合研究所が開発したのは、がんがあるかどうかを見分けるAIです。産業科学研究所が開発したAIは、検査の前に正常な体の組織の画像を学習。検査画像全体を解析し、正常な組織と異なる部分を「異常」とみなして検出します。
産業技術総合研究所によると、乳がんを調べる超音波画像をAIで解析したところ、がんと疑われる病変部分の85%以上を自動で検出。手術や内視鏡などで取った細胞を専門医が顕微鏡で調べる病理診断などにも応用できるとしています。
がんは早期発見が重要ですが、画像診断の専門医は不足。AIがサポートすることで、医師の診断の時間を短縮し、精度を高めることが期待されています。
AIで診断時間が6分の1に
富士通研究所が開発したのは、肺炎などのCT検査で、AIが診断をサポートするシステムです。
CTによる検査は断面画像から病状を判断することが難しく、時間を要することも多くありました。富士通研究所が開発したAIは過去の症例データから類似画像を探し出し、医師に提示。医師がデータを参考にし、診断にかかる時間は現在の6分の1にできる見込みです。実用化は2018年以降に予定されています。
近い将来、AIが多くの人の命を救っているかもしれませんね。
<参考>
がん、AIが判定 医師の診断を手助け - 日本経済新聞 (2017/6/5付日本経済新聞夕刊)
富士通研究所 肺炎のCT画像、AIが診断支援(2017/6/25 日本経済新聞電子版)
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