反政府武装勢力タリバンに掌握されたアフガニスタンの首都カブールで8月15日、国外脱出を求める多くの人たちがハーミド・カルザイ国際空港に押し寄せた。
撮影された映像には、同空港が混乱状態に陥っている様子が映っており、AP通信は空港で銃声が聞こえたと報じている。
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急激に勢力を増したタリバン
アメリカ軍が撤退を本格化させた5月以降、タリバンはアフガニスタンの各地を次々に掌握してきた。
8月15日に首都カブールに侵攻した後、ガニ大統領は「流血を避けるため」としてアフガニスタンを出国。大統領府はタリバンの戦闘員らによって占領された。
アメリカは、大使館の機能をアメリカ軍が警備するハーミド・カルザイ国際空港に移転させて、全ての大使館員を避難させた。
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空港には、国外への避難を求める外国人やアフガニスタン人たちが押し寄せたが、ガーディアンはNATO(北大西洋条約機構)関係者の証言として、民間機の運行は一時停止しており、軍用機のみ運行が許可されていると伝えている。
緊急事態を受けて、アメリカ国務省と国防総省は、8月15日(現地時間)に共同声明を発表。
48時間以内に治安部隊の兵士を6000人増員して空港の交通網を取り戻し、軍用機や民間機を使って、アメリカ市民やアメリカの任務のために雇用されたアフガニスタン人やその家族、危険な状態におかれているアフガニスタン市民の安全な避難にあたると述べた。
さらに、特別移民ビザの資格がある何千人ものアフガニスタン人のアメリカへの避難を早めるとしている。
また、日本も含む約70の国などとの共同声明で、アフガニスタンからの出国を望む外国人やアフガニスタン人が安全に出国するためのサポートをするとも述べている。