政治家から、"人生の先輩"としてのアドバイス #YoungVoice

政治家と聞けば、胡散臭い、嘘ばかり、お金に汚いといった悪いイメージばかりを持っていた。 しかし…

18歳から23歳の若者が、ハフポスト日本版とともに国会議員や自治体の首長らを訪ね、率直に質問をぶつける企画「Young Voice」。幸田真里奈さんは、熊谷俊人・千葉市長にインタビューした。

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直接会ったことがないにも関わらず、政治家と聞けば、胡散臭い、嘘ばかり、お金に汚いといった悪いイメージばかりを持っていた。

しかし、千葉市長の熊谷さんから感じたのは、それとは真逆の印象だった。

言葉の端々、表情のひとつひとつから、用意された言葉でなくその場で考えた本音を語ってくれていることが伝わる。

だからこそ、発する言葉には熱がこもっている。

謝罪会見ばかり目にする機会が多いだけに、真に"リーダー"らしい政治家もいたのだなと、私は思った。

「ポジショントークに終始するな」

熊谷さんのお話の中で特に印象深かったのは、政治意見の対立についてのお話だった。

「人は目に見えてこなかったリスクのことについては忘れがちである」

「乗っていた飛行機が落ちずに到着しても、人は落ちるかもしれなかったリスクについては考えない」

「全ての選択にメリットとデメリットの両面があったはずだが、それを踏まえずに、ポジショントークに終始している」

そう市長は話した。

失敗のように見えたことであったとしても、その選択によって、得られたメリットはあったかもしれない。

このことは政治に限らずとも、身に覚えのある話である。

失恋した、受験に失敗した、就職に失敗した。

結果だけを見ると、それは失敗であったとしても、それを経験してこそ、初めて明らかになったこと、回避できたリスク、次に生かすことのできる教訓があったかもしれない。

政治にせよ、自分の属するコミュニティでの意思決定にせよ、はたまた自分の人生の選択にせよ、杓子定規に成功、失敗と決めつけないよう見直していきたいと思った。

「本当にやりたいことなら自然と言葉がでてくる」

熊谷市長が政治家になったのには、阪神淡路大震災を経験したことが影響しているという。

非常時こそ、市の政治がダイレクトに生活に関わってくることを、身をもって感じたと話していた。

また熊谷市長は、家庭教師のアルバイトをするなかで、そのシステムに不満を感じ、自ら家庭教師協会を立ち上げたという経験をもつ。

それと同じように、政治家を志した時も、自分自身が政治に不満をもっていたからこそ、まず自分が動かす側に回ってみようと考えたと話す。

市長の言葉が生き生きとしている理由は、おそらく、政治家になった動機が経験や感情など自分自身の芯に深く結びついているからだろう。

就職活動についてのアドバイスを求めた時には、「本当にやりたいことだったら自然と言葉がでてくる」と話してくれた。

私は就活生であり、面接のたびに、面接官から自分自身について根ほり葉ほり質問される。

「この業界を志すことになった動機は?」

「今までで一番苦労したことは?それをどうやって乗り越えた?」

「学生時代に最も頑張ったことは?」

初めのうちは、会社に合わせた工夫をして、内容を変えていたが、徐々にそれが面倒くさくなってきた。結局のところ、自分自身に嘘をついて書くと一向に筆が進まず、面接でも答えに窮してしまうのだ。

一方、本当に思っていることであれば、すらすらと筆が進む。そしてアウトプットすることで、その分、自分自身についての理解も深まっていく。

志望動機は決意表明であり、それは自分自身に言い聞かせるためでもあるのかもしれない。決意が固ければ固いほど、その後の仕事もきっと精が出る。

自分の仕事について生き生きと語ってくれた熊谷市長の姿を見て、厳しい就職活動も、前向きに捉えられる気がした。

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