注意欠如・多動性障害(ADHD)は子どもに多いとされますが、成人にも症状がある人がいます。ドイツ、イギリスなどの研究班が、ヨーロッパ諸国で精神科外来を受診した人のうち、ADHDにあたる人の割合を計算しました。
元記事▶▶大人のADHDはどれぐらい多いのか?
◆ヨーロッパの精神科受診者から診断
研究班は、ヨーロッパ8か国にわたる参加施設の精神科外来を受診したすべての患者を対象として、ADHDの診断を行い、全体の中でADHDの診断基準に当てはまる人の割合を計算しました。
◆15%から17%がADHD
十分な情報が得られた1,986人について、次の結果が得られました。
成人ADHD診断面接に基づいた診断で、DSM-IV-TRの基準によれば患者の15.8%(95%信頼区間14.2%-17.4%)が、DSM-5の基準によれば17.4%(95%信頼区間15.7%-19.0%)が、ADHDと診断された。
精神科外来を受診していた人の中でADHDと診断できた人の割合は、診断基準によって15.8%または17.4%でした。
ADHDは成人の間でも、精神科を訪れる人の中でかなりの部分を占めるという結果でした。大まかな頻度を把握しておくことは診断の中で非常に重要であり、ヨーロッパと日本ではいくらか上下する可能性もありますが、この結果もひとつの参考にできるかもしれません。
MEDLEYの注意欠陥・多動性障害(ADHD)ページでは、医師たちによるさらに詳しい疾患情報を紹介しています。下記のおすすめ関連記事とあわせてご活用ください。
◆参照文献
Prevalence of ADHD in nonpsychotic adult psychiatric care (ADPSYC): A multinational cross-sectional study in Europe. BMC Psychiatry. 2015 Oct 13
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