曲順通りに聞いて欲しい――アーティストの願いが音楽配信サービスで取り入れられつつある。
Spotifyは、11月19日に開始したアデルのアルバム『30』の配信に伴い、彼女のアルバムからシャッフル再生の機能を取り除いた。
これはアデルの要望を受けての対応だったようだ。
アデルはTwitterに「これは絶え間なく変わる業界へのたった一つのお願いでした!私たちは理由もなくアルバムの曲順を決めているわけではありません。私たちの芸術はストーリーを伝えるもので、そのストーリーは意図した通りに伝えられるべきものなのです。Spotify、要望を聞いてくれてありがとう」とつづっている。
この投稿に、Spotifyは「あなたのためなら何でもします」と返信している。
シャッフル再生機能の削除は、利用者とアーティストからこれまでにも要望されていたという。
SpotifyはVarietyに「利用者とアーティストから長年リクエストされていた、『再生』を全てのアルバムでデフォルトボタンにする新しいプレミアム機能を始めました」「今後も、私たちの製品と機能をアーティストとファンにとって最高のものにし続けます」と述べている。
『30』のページにはシャッフルボタンはないものの、プレミアムユーザーは、再生中の画面もしくはアデルのディスコグラフィーから曲をランダム再生している時にはシャッフル再生できる。
『30』はアデルの6年ぶりの新アルバムだ。離婚や心の平安と癒しを探す旅など、アデルの人生の嵐とも言える時期を表現する作品になっていることを考えれば、曲順通りに聞いて欲しいという願いも理解できる。
また、6年の月日を経てアデルはストリーミングサービスと折り合いをつけたようだ。
アデルは前作『25』を、2015年11月の発売当初すぐにはストリーミング配信しなかった。
その理由を、2015年のタイム誌のインタビューで次のように語っている。
「私は音楽は一つのイベントであるべきだと考えています。自分のアルバムの発売日が近づくとワクワクします。私はストリーミングサービスは使いません。自分の音楽を自分で買います。買わない人のためにダウンロードし、CDを購入します」
「ストリーミングは音楽の未来だと思います。しかし、それだけが音楽を消費する方法でありません」「自分がどう感じているかまだわからないものに、私は忠誠を誓うことはできないのです」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。