アメリカ・オレゴン州で、お泊まり会に来た12歳の少女たちに薬物入りスムージーを提供した容疑で、父親が起訴された。地元警察が2月28日、この父親が出頭したと発表した。
57歳のマイケル・メイデン容疑者は2023年8月に、ポートランド近郊レイクオスウィーゴにある家で、自分の子どもの友人たちに規制薬物を摂取させた罪などで起訴されている。
メイデン容疑者は、3人の少女に出したマンゴースムージーに「ベンゾジアゼピン(中枢神経系の活動を抑える機能を持つ抗不安薬)」を混入させた疑いが持たれているが、同容疑者は無罪を主張している。
警察は地元の病院から「12歳の少女3人の血液中から薬物が検出された」と通報を受けて、事件を捜査していた。
ハフポストUS版が入手した供述書によると、少女たちは「メイデン容疑者は、お泊まり会に深く関わっていた」と警察に証言している。
メイデン容疑者は夜にスムージーを作り、少女たちに飲むよう強く求めたという。
少女たちはこのスムージーについて「全体や上に小さな白い塊があった」と証言している。
また、少女の1人は「スムージーが嫌いだと伝えたが、メイデン容疑者は飲むよう求めだけでなく、2杯目を作った」とも述べている。
供述書によると、メイデン容疑者は少女たちに寝るよう伝えた後、何度も部屋を訪れて、1人の少女の顔の前で手を振ったり、鼻の下に指を置いたりして起きているかどうかを確認したとされる。
少女の1人は、ベッドの上でメイデン容疑者に体を動かされたものの、「何かされるのではないかという恐怖で目を覚ましていた」と述べている。
メイデン容疑者が部屋を出た午前1時43分頃に、1人が母親に助けを求めるメッセージを送ったいう。
少女はメッセージで「ママ、家族に緊急事態があったと言って私を迎えに来て。ここは安全じゃない。私は返信できないかもしれないけれど、お願いだから迎えに来て(泣き顔の絵文字)どうか、どうか迎えに来て。お願い、お願いします」と助けを求めた。
供述書には、少女の1人が家族の友人に「友達の父親のせいで危険を感じている」というメッセージを送ったことなども書かれている。
「怖い」「父親は私たちを互いから遠ざけながら、私たちが起きていないことを検査し続けていた」「友人の1人が2秒ほど目を覚ましたものの、その後は目を閉じて話をしなかった」というメッセージもあった。
助けを求めるメッセージを送った少女が1人なのか複数なのかは、供述書からは明らかではない。
最終的に、メッセージを受け取った家族の友人が、夜中に少女の1人を迎えに行ったという。
この家族の友人は、「到着した時にメイデン容疑者が出迎えたが、ろれつが回っておらず酔っているように見えた」と警察に話している。
家族の友人は、家族に緊急事態が発生したとメイデン容疑者に伝えて、少女を連れて帰った。
少女は帰宅後に両親を起こして、他の親たちに子ども達を迎えに行くように伝えたという。
他の両親がメイデン容疑者の家に到着した時に、同容疑者は最初は抵抗し、少女たちは眠っているので後で迎えにくるようにと求めたが、家族は連れて帰ったと供述書には書かれている。
翌朝少女たちに話を聞いた捜査官は「そのうちの1人は歩くスピードが遅く、母親に支えられてバランスを取っていた。まぶたが重く、話すのもゆっくりだった」と証言している。
また、地元メディアのオレゴニアンによると、少女の1人は「スムージーを飲んだ後にふらふらして体が熱くなり、うまく体を動かせなくなった。その後今まで経験したことのないような深い眠りに落ちた」と証言している。
メイデン容疑者は2023年末に離婚しており、レイクオスウィーゴの家は元妻と容疑者が所有しているという。
メイデン容疑者の弁護士マーク・コーガン氏は、容疑について「証拠がなく推定無罪だ」とハフポストUS版へのメールで主張した。
コーガン氏は、メイデン容疑者を起訴した大陪審は「裁判官や弁護士がいない状況で、秘密裏に開かれた」とも説明。「すべての事実が明らかになるまで、皆さんには判断を保留していただきたい」と求めた。
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆・編集しました。