「もっと誰かの役に立つ仕事がしたい。でも、どうすれば……」そんなキャリアの悩みを、抱いたことはありませんか?
「特別な資格や経験がなくても、誰かの役に立つ仕事に挑戦できます」と語るのは、アクセンチュアの渡辺孝治さん。障がいのある社員をサポートするスーパーバイザー(SV)職として、充実した日々を過ごす。SV職の仕事内容や魅力とは? 障がい者採用で入社後、チームリーダーとして活躍する下薗佳奈さんと共に教えてくれた。
チームリードの経験を活かして「人の役に立てている実感」を持ちながら働きたい
── 現在のお仕事と、アクセンチュアを目指したきっかけを教えてください。
渡辺さん(以下敬称略):私は障がいのある社員が働くサテライトで、チームメンバーの管理や、他部門から依頼された業務の切り出しを担当しています。
転職前は、システム導入のコンサルタントなどを15年ほど経験しました。当時は、メンバーの成長のサポートにやりがいを感じていたものの、深夜残業は当たり前の環境。コロナ禍を機に、「もっとワークライフバランスを保ちながら社会貢献ができないかな」と思い始めたんです。
そんな時にアクセンチュアの障がい者雇用支援の内容を知り、チームリードの経験を活かして「人の役に立てている実感」を持ちながら働きたいとの思いから、2021年に転職。それまで、障がいのある方と働いた経験はありませんでした。
今は、メンバーの希望や特性に合わせた成長計画の作成など、一人ひとりと向き合っていくことが喜びです。ワークライフバランスも充実しました。定時には退社することが基本で、残業はほとんどありません。
障がいの有無に関わらず、仕事を任せてくれる風土
下薗さん(以下敬称略):私は2020年に障がい者採用で入社しました。大学生の時にうつ病を発症し、さらにASD(自閉スペクトラム症。発達障がいの一つ)と診断されたんです。現在、新入社員を受け入れるチームのリーダーとして、研修サポートを担当しています。
アクセンチュアを知ったのは、就労移行支援事業所に通っていた時。アクセンチュアの採用説明会で「障がいは個性の一つ」と説明していたことに感銘を受けました。障がい者採用って、決められた作業を淡々とこなすイメージですよね。でも、アクセンチュアは「障がい者採用であっても、 “成長すること”を前提に、いろいろな仕事を任せます」と紹介していました。自分の障がいや病気をネガティブに捉え、就職する自信がなかった私も、頑張ろうと思えたことを覚えています。
特別な資格や知識は不要。入社後のサポートに注力
── 渡辺さんは、アクセンチュアに入社する前まで、障がいに関する特別な知識はもちろん、障がい者と関わる経験もほとんどなかったとのお話でしたが、SVとして入社した際に、研修やサポートはありましたか?
渡辺:確かに当初は、障がいに関する専門知識がないなかで業務が務まるのか不安に思っていました。しかし、入社前の面談で人事の方に相談したところ、「障がいに関する特別な知識や経験は不要」「前職でチームをリードしていた経験をぜひ活かしてほしい」と説明があったので、思い切ってチャレンジしました。実際、入社後1ヶ月ほどはアクセンチュア全体の研修を受けて、その後2~3カ月ほどOJTをしながら引継ぎをしました。
── サテライトのSV職以外にも障がいのある方をサポートする体制はあるのでしょうか?また、どのように役割分担がされているのですか?
はい。SVの他にも、ジョブコーチ、そしてアクセンチュアと共に障がい者雇用に取り組むパートナー企業の常駐支援員がおり、それぞれの立場からサポートしています。私たちSVは障がいのある社員の業務管理をメインに行うのですが、まず障がいのある社員が配属される際、必要な配慮についてジョブコーチがSVに共有してくれます。ジョブコーチは社員本人へも入社時にまず、働き続ける上でのアドバイスなどを行っています。そしてパートナー企業の常駐支援員は、文字通り各拠点に常駐しているので、社員一人ひとりに合わせて日々、体調やメンタルのサポートを行います。
SVと常駐支援員は継続的に、定例で情報交換をしており、何か相談事項があればいつでも会話できる仕組みです。このように、主に障がい面でのサポートはジョブコーチや常駐支援員から受けられることもあり、SVは業務面でのサポートに注力できるのです。
下薗:私たち障がい者採用のメンバーとしても入社時には、想定以上のサポートを受けられたというのが、率直な感想です。サテライトには、アクセンチュアと共に障がい者雇用に取り組むパートナー企業の常駐支援員がいるので 、面談で「体調は問題ないか」「業務やトレーニングの調子はどうか」と気にかけてくれます。障がいに関するサポートを常駐支援員の方にしていただきつつ、業務面でのサポートはSVの方がしてくれています。SVの方は私たちの意見をすぐに業務に取り入れてくれるので、風通しの良い会社だと感じています。例えば、「マニュアルのこの部分を改善できませんか?」という提案をした際、提案者である私に改善作業を任せてくれたことは嬉しかったです。
人の成長が喜び
── 特にやりがいを感じたのは、どんな時ですか?
渡辺:メンバーから能力を引き出せた時ですね。ある社員にPythonというプログラミング言語の学習を勧めたところ、未経験ながらエクセルで自動化ツールをつくってくれたことも。そういう成長を見た時は、「やっていてよかったな」と思います。
下薗:私も渡辺さんのもとで、「対話を通じて一人ひとりがスキルアップしていく」ことを学びました。サテライトの基幹業務の一つに、サニタイズ業務というものがあるのですが、これは、現場のコンサルタントがお客様への提案用に作成したプレゼン資料にある機密情報を、社内共有前に適宜マスキングする業務です。サテライト立上げ当初から、ビジネスに貢献する業務の一つとしてサテライトで請け負っています。私は、このサニタイズ業務の際、渡辺さんと一緒に、文脈を読むのが苦手なメンバーに向き合っていたのですが、対話を重ねるうちに、どんどん理解してもらえるようになり、同じサテライトで働くメンバーの成長を実感しました。
── 今後の目標を教えてください。
渡辺:まずは業務を通して会社に貢献し、サテライト独自の強みも開拓したいです。人数が増えつつあるSVメンバーのケアを充実させることも私の目標です。休日はコーチングのスクールにも通っているので、スキルに磨きをかけていければと思っています。ロールモデルとして、私たちの障がい者雇用の取り組みを国内外に発信していくことも目指しています。
下薗:後輩たちのために、障がいのある社員のキャリアパスをつくっていきたいです。特に、私は新入社員の研修をやっているので、日々頑張ることで、どんどん素晴らしい社員が育っていくと思います。障がいや病気を打ち明けづらい空気は、まだ社会にあります。まずは、「障がいは個性」「どんな人も成長を前提とする」というアクセンチュアのマインドを広めていけたらいいですね。
一緒に成長できる人と働きたい
── アクセンチュアでは、障がいのある社員が働きやすい環境を整備すべく、SV職の採用を強化しています。どんな人に応募してもらいたいですか?
渡辺:人が好きな方、人の育成に喜びを感じられる人です。アクセンチュアには多様な事業があるので、テクノロジー、マーケティングなど、これまでの経験も役立てられると思います。ワークライフバランスが充実するのも魅力なので、いろんな人に挑戦してみてほしいです。
下薗:サテライトでは、様々な年齢や性別の人がバランスよく働いています。私たち障がい者採用の社員にとっても、SVの方にとっても、必要なサポート体制が整っているのでどうぞ安心してくださいね。アクセンチュアで私たちとご一緒できる日がくることを楽しみにしています。
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日本の人口の約8%、およそ12人に1人が何らかの障がいがあると言われています。インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)を掲げるアクセンチュアは、障がいのある人が働く環境を整備するため、SV職の採用を強化しています。まずは、お仕事について知ることから始めてみませんか?
(撮影=野村雄治)