「日本の5Gは遅れている」──。そんな声をちらほら耳にします。米国や韓国・英国などでは商用サービスがすでに始まっており、中国でも今年後半に開始予定。そんななか、日本では2020年春以降の開始と、確かに先頭集団からは外れているように見えます。
本当に日本は5Gで遅れを取っているのか。5月31日に開催したEngadget x TechCrunchのイベントで、NTTドコモの奥村幸彦氏(5Gイノベーション推進室 担当部長)がITジャーナリスト石川温氏との対談で回答しました。
『確かに遅れているように見えますが、少なくともオリンピックまでに開始するという意味では、遅れ幅は決まっています。何年も遅れるわけではありません。主要国でサービスが開始されてから1年以内には追いつきます。これをどう捉えるかです。本格的な商用セルラーサービスが開始されたのは日本が一番最初。1Gで世界初をやっていますので、あまり世界一にこだわらなくていいかなと』(奥村氏)
『本当に一番が良いのか、ちょっと遅れたほうが良いのか。戦略を含めて考える必要があります。結果論ですが、モバイルネットワークは10年おきに大きな進化を繰り返しています。5Gも少なくとも寿命は10年、つまり2030年より先まで続きます。その10年間に5Gネットワークをどのように立ち上げるのか。ここ数か月、1年のスタートの差がのちのち影響するとは考えづらい』(奥村氏)
5Gプレサービス「全国一斉で展開」
なお、NTTドコモをはじめとする3キャリアは、9月のラグビーワールドカップの開催にあわせて“5Gのプレサービス”を実施予定。このプレサービスについてNTTドコモの奥村氏は『全国一斉で展開する』として、何もラグビーワールドカップ会場に限らないと説明。
プレサービスと商用サービスの違いについては『お客様からお金をいただくかいただかないか』としたうえで、プレサービス中に5G対応スマホを発売するかに関する明言は避けました。なお、KDDIは5G端末について商用サービスがはじまる2020年3月までは発売しないと高橋誠社長が明言しています。
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