デンマークの海岸で女性ジャーナリストのバラバラ遺体が見つかった事件に関連して、新たな疑惑が生じている。31年前に近くの港で、日本人女性の切断遺体が見つかった未解決事件との関連性もあるとみて、地元警察が調べている。
現地紙「BT」などが8月23日に報じた。
■「潜水艦殺人」事件とは?
コペンハーゲンの海岸で21日、スウェーデンのジャーナリスト、キム・ウォールさん(30)の手足のない胴体が発見された。ウォールさんは発明家のピーター・マドセン被告(46)と一緒に、彼が作った潜水艦に乗り込んで取材中に行方不明になった。
沈没した潜水艦からウォールさんの血痕が見つかり、マドセン被告は殺人罪で起訴された。
ウォールさんが乗り込んだ全長17メートルの潜水艦「UC3ノーチラス号」
■31年前の未解決事件とは?
現地紙「BT」によると、デンマーク警察のイェンス・モラー捜査官は、今回の事件捜査の一環として、1986年10月にコペンハーゲン港で東京・葛飾区の豊永和子さん(当時22歳)の手足のない胴体が見つかった未解決事件についても「関連を調べている」と話した。
豊永さんはアルバイトをしながらヨーロッパを旅行中、フィンランド・ヘルシンキから家族宛てにはがきを出した直後に、殺されたとみられている。 1987年の朝日新聞は以下のように報じていた。
デンマークの首都コペンハーゲン市内の運河で昨年10月、アジア系女性のバラバラ死体が見つかり、デンマーク警察当局から警察庁を通じてあった捜査依頼により警視庁捜査1課で調べた結果、2日、東京都葛飾区東新小岩5丁目、無職豊永和子さん(当時22歳)とわかった。
(略)
バラバラ死体が見つかったのは昨年10月31日。コペンハーゲン市内の運河で死体の一部が見つかり、その後、他の運河でも死体の一部が次々に見つかった。現地警察は殺人事件とみて捜査している。
(朝日新聞 1987年7月3日朝刊)
ただし1987年当時、マドセン被告は16歳。今回の事件とどこまで関連があるかは今のところ不明だ。