突然ですが、ニュージーランドの羊牧場でインターンをしています🐏 その理由は...

私事ですが、ハフポストを卒業する決断をしました。そして「卒業旅行」として、ニュージーランドへ一人旅に来ています。
HuffPostJapan

先月、数年ぶりに会った高校の同級生に会った時に言われた言葉が、頭を離れない。 

「あんた、喋るのめっちゃ早くなってない?話が全然頭に入ってこないから、一時停止ね」

この一言がきっかけで、私は「卒業旅行」の行き先をニュージーランドに決めた。

せっかちが度を超えて…

これはまずい。

母親に似て、もともと早口な方だという自覚はあったが、さらに磨きが掛かっているようだ。…確かに、心当たりは十分にある。

ハフポストに限らず、日々すさまじいスピードで仕事が進み、トレンドが動き、風向きが変わるウェブメディアの世界。ありがたいことに毎日忙しく、30分刻みに入る打ち合わせは、時間が足りず急ぎ足で終えることも多かった。せっかちな性格も相まって、Slackを数分放置しただけで「返事遅れてごめん!」と謝るのが当たり前になっていた。

家に帰れば、仕事の都合で5時起きの夫が寝てしまう前に、聞かれていもいない今日の出来事を5倍速で共有する。その様子を、夫は冗談半分で「壊れかけのRadio」と形容した。入浴中や移動中に“タイパ”良く情報を詰め込もうと、YouTubeやNetfilxを倍速で見るのも日常だ。 

せっかちが度を超えて、生き急いでいるのでは?私。

このままでは、人生100年時代どころか、年金もらう前に息切れしちゃうんじゃ?

冒頭の一言をきっかけに我に返り、私はニュージーランドでファームステイをすることに決めた。ハフポストを退職する前の「卒業旅行」として。

2年半ぶりの海外。人生初の10年パスポートで、人生初のニュージーランドへ🗺 ミーハーなので、定番の場所で、定番の写真を撮りました。
2年半ぶりの海外。人生初の10年パスポートで、人生初のニュージーランドへ🗺 ミーハーなので、定番の場所で、定番の写真を撮りました。
JULIE FUKUHARA

重みと、意味を纏うために

 この6月で、ハフポストに入社して丸3年を迎える。

忘れもしない、採用面接。
「得意なことや専門分野は?」と聞かれ、「まだありません。ここで、その答えを必ず見つけます(キリッ)」と根拠のない自信とともに答えた。あの時、ハフポストの採用情報を見つけ、選んだ自分に今でも感謝している。
(そして、こんな私を採用してくれて、本当にありがとうございました)

営業、企画、取材、記事や台本の制作、番組出演…。たくさんの機会をいただき、たくさんの方々の手を借りて、自分の思考や言葉をアウトプットし続けた3年間で、とても曖昧な存在だった私はようやく自分の“輪郭”を描くことができた。

やっと見えた輪郭に、どんな色を塗り、どんな中身を入れていこう?
自分の口から出る言葉に、自分の手から世に出していくものに、もっともっと、重みと意味を纏わせることができたら?

できるようになったこと、得意だと思えたこと、仲間と何かを成し遂げてうれしかったこと、無駄だと思ったけど続けたら意味があったこと、評価してもらえたこと、自分の無力さに絶望したこと。
並べたらキリがないほどの、たくさんの思いが詰まった3年分の荷物と、たくさんの人に知ってもらえた「ハフポストの福原」という看板を下ろすのは、正直、めちゃくちゃ怖い。それでも次の旅に出ようと決意できたのは、「もう少しここにいたいけど…」があったからだ。 

「もう少しここにいたいけど」

ハフポストは、とても居心地が良い場所だ。自分に何が求められているのか、自分には何ができるのかも分かってきたし、何より、仲間にも、お客さんにも、たくさんの素敵な出会いに恵まれた。

もう少しここにいたいけれど、新たな挑戦をする決意をした。
良い思い出ばかりが詰まった大好きな場所を、離れる決意をした。

それは、ハフポストを選んだ過去の自分に感謝しているように、いつか「あの時、あの決断をして良かった」と思える未来を作るための覚悟でもある。

卒業祝にいただいだお花たち。たくさんの思い出の写真は、胸の中にしまっておきます😘
卒業祝にいただいだお花たち。たくさんの思い出の写真は、胸の中にしまっておきます😘
JULIE FUKUHARA

初めましての仲間と、初めての環境で、自分の得意をフィットさせたり増やしたりしていくこと。「やりたい」をカタチにして「やりがい」を見つけること。
人生で何度も経験してきたことだって、“初めて”があるだけで一層ハラハラ、ヒリヒリ、ワクワクする。

気力も体力も必要な新しい旅に備え、羽を休めるというよりも、カラダとアタマに油を差し、チューニングするための有給消化を過ごそう。

その行き先が、ニュージーランドというわけだ。

きっかけは、あのインタビュー

ニュージーランドを選んだのには、もちろんワケがある。
昨年の5月、当時ニュージーランドのラグビーチームに所属していた姫野和樹選手にインタビューをした際、こう話してくれた。

ニュージーランドに来てから、その自然の中で、自ずと自分の内面にフォーカスする時間が増えています。
「自分には何ができるのか」「自分は今、何をすべきか」
その答えは自分自身と向き合うことで出てくるものだし、自分を理解することが自信にもつながるんじゃないかな。

「自分」としっかり向き合うべき時が来たら、必ずニュージーランドへ行こう。そう思ってから1年、そのタイミングが訪れた。

「とにかく、自然の中でゆっくり過ごしたい」「頭の中を漂う煩悩や、時間の流れをリセットしたい」「のんびり、というイメージがピッタリの羊たちと過ごせば、時間の流れが変わるかも...?」 

縁あって、そんな私のわがままを聞いてくれる羊牧場でのファームステイが叶い、6月半ばからニュージーランドで過ごしている。 
(ビザの不備やシステムエラーなど、出発ギリギリまでサポートしてくださったみなさまに、この場を借りてお礼申し上げます🙇🏻‍♀️)

が、羊たちは想像以上に力強くアグレッシブで、早起きで...。全く「のんびり」とは過ごせていないが、これもまた私らしい。

そして、自分の未来を照らしてくれる出会いをくれたハフポストに、改めて感謝したい。 

30歳、たくさんの“初めて”に挑戦します。

今年は、30歳になった記念すべき年でもある。

30歳、初めて髪を染めてみた。初めてフグを食べてみた(おいしかった!)。そして、初めてニュージーランドへ来てみた。

「30歳だから、〇〇しなきゃ」なんてプレッシャーはこの世から無くしたいけれど、「30歳だから、〇〇したい」というのを良い口実に、今年はたくさんの“初めて”をつくる1年にしたい。 

そして最後に、ハフポストで出会ったみなさま、たくさんの貴重な経験をさせてくださったみなさまへ、心からの感謝を伝えたい。

メディアで働くことの意義。ハフポストが声を上げることの重み。自分の手で作ったコンテンツ、自分の口から発した言葉で確かに社会は変えられるという実感。そして、そこに伴う大きな責任。

大切なことは、会社の仲間はもちろん、取引先である代理店や広告主の方々から教わることもとても多かった。
これからも、私だからこそできることを探していこう、恩返しができるくらい成長しようと思えたのは、ハフポストでの3年間があったからだと胸を張って言える。

送別会の時、同僚がかけてくれた「傍から見てて、羨ましいほどメキメキ成長した3年間だったよね」というお褒めの言葉や、インターン生が送ってくれた「珠理さんみたいな大人になりたいです」なんてうれしすぎる言葉。

そんな暖かい言葉たちや、かけがえのない思い出をお守りに、次のステージでも私らしく、走り続けたい。 

本当にお世話になりました!絶望する日もあったけど、総じて、毎日楽しかったです😊仲間が作ってくれた、アルバムの表紙に抜擢された写真で締めくくります!
本当にお世話になりました!絶望する日もあったけど、総じて、毎日楽しかったです😊仲間が作ってくれた、アルバムの表紙に抜擢された写真で締めくくります!
JULIE FUKUHARA

そして、帰国後に会うみなさま。

私の喋るスピードは、果たしてどうなっているのか?ご確認のほど、どうぞよろしくお願いいたします。 

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