5分、10分、15分で行ける範囲が分かる地図サイト「15cities」が便利すぎる

アクセス殺到で機能制限中。作者の「にゃんこそば」さんに制作の経緯を聞きました。
JR秋葉原駅から徒歩5分、10分、15分圏内を表示した場面
JR秋葉原駅から徒歩5分、10分、15分圏内を表示した場面
5656map.jp

この場所から歩いて5分でどこまで行けるだろう?そんな疑問にパッと答えてくれる地図サイトが反響を呼んでいる。

それが「15cities」だ。地図上で好きな場所をクリックした上で、「徒歩・自転車」のいずれかの移動手段を選ぶ。そうすると、5分、10分、15分で行ける範囲が地図上に線で表示されるという仕組みだ。

たとえば、引っ越しを考えている人が、候補の物件から徒歩5分圏内にスーパーがあるのかを調べたり、会社まで自転車通勤するに15分で行ける物件はどこかを調べたり……。さまざまな用途に利用できそうだ。

作成したのは、金融業界でデジタル推進の仕事をしている「にゃんこそば」さん。Mapbox社の開発者向けサービス「Mapbox Isochrone API」を利用しているという。

3月2日に自身のTwitterで紹介したことがきっかけで広まった。アクセス集中しているため12日現在は、1ユーザーにつき30秒に1回のみ検索範囲を表示するようになっている。坂道などの傾斜は反映されない模様だ。

5分・10分・15分で行ける範囲が分かる地図『15cities』を公開しました。https://t.co/GmaNGuFV7t

◆使い方
①地図をある程度ズームする
②スタート地点をタップする
③移動手段を選ぶ
⇒「等時間線」が表示されます。

以下、便利機能や注意点を紹介します🧐 pic.twitter.com/PhnlBKX3WY

— にゃんこそば🌥️データ可視化 (@ShinagawaJP) March 2, 2021

◆5・10・15分圏
任意の場所からの等時間線を「ざっくり」描いてくれます。徒歩・自転車・自動車に対応(公共交通は今後検討)。

・リアルタイムの交通状況は未反映です。
・坂道も(たぶん)考慮できてないので、山がちな場所では割り引いて考えた方がよさそう。

出典:Mapbox Isochrone API

— にゃんこそば🌥️データ可視化 (@ShinagawaJP) March 2, 2021

■制作の経緯は?

ハフポスト日本版では制作者の「にゃんこそば」さんに制作の経緯などを聞いた。

――今回、「15cities」を制作されたきっかけは何だったでしょうか?

 最近の取り組みテーマとして、個々人にパーソナライズされたハザードマップを作れないか検討しておりました。その中で津波襲来や延焼までの猶予時間内に逃げられる範囲を可視化できないか?と考え、技術検証を兼ねて作成いたしました。 

――制作時間と制作にあたって苦労した点があれば教えてください。

プログラミング自体は数時間ですが、背景地図のデザインや検索機能など、気持ちよく使っていただくためのブラッシュアップに2~3日を要しました。

――「5・10・15分圏」の場所を表示するためのデータは「Mapbox Isochrone API」に含まれており、それを元に描画しているということでいいでしょうか?

ご推察の通りです。Mapbox社の開発者向けサービスのひとつである「Mapbox Isochrone API」という機能を用いて、任意の地点からの等時間線を計算しております。ただし、このAPIは欧米の方の体格に合わせているのか、実感よりも広い範囲を示してしまうため、本サイトではパラメーターを少し渋めに設定しています。 

――リアルタイムの交通状況のほか、私も使ってみた限りでは坂道は考慮されてないようですが、これは何が原因でしょうか?

推測になりますが、Mapbox Isochrone APIが等時間線の計算時に勾配を考慮していない、ということだと思われます。

――アクセスが集中しているということですが、ここまでの反響は予想されていなかった感じでしょうか?

全く予想していませんでした。月間数万アクセスまでは耐えられるため大丈夫だろうと思っていましたが、公開後の12時間で3万件のアクセスがありました。

――サービス公開日と、機能制限をかけたのは何日からでしょうか?

3月2日午後9時ごろに公開し、翌3月3日12時頃から段階的に機能制限を実施しました。

――アクセスが集中するとAPI使用料が厳しくなりそうですが、今後の「15cities」の展開はどのように考えてますか?

用途を絞り込まずに汎用的に使えるサイトとしたことで、想定以上にアクセスが伸びたものと考えています。Twitterでの反響を見ると、不動産会社がお客様への提案に活用したり、多店舗展開の企業がマーケティングに使用する・・・といった商用利用もゼロではないようですが、事業者の営業コスト(API使用料)を私が肩代わりすることは本意ではないため、防災、不動産などのテーマごとにシビックテックのコミュニティや事業会社と連携しながら、持続可能な提供形態を模索していきたいと考えています。

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