Photo by Hirokazu Tomioka
4月22日の朝7時半、まだ夜が明けきらないニュージーランド・オークランドで、ワールドマスターズゲームズ2017(WMG)の10キロマラソンが行われた。日本人を含む約370人の参加者が、号砲と共に歓声を挙げながらスタート。その中には、スポーツ庁の鈴木大地長官の姿もあった。
普段から6、7キロのジョギングは行っているが、それ以上の距離を走るのはおそらく初めて、と話す鈴木長官。スタート前は、「楽しんで走りたいです」と話し、目標を聞かれると、「ニュージーランドだけに、キウイ(9位)です」と笑いを誘う余裕を見せていた。
スタート後、しばらくはスピードに乗って快走していたが、後半に差しかかると、「ここから先は(走ったことがない距離なので)、未知の領域だ」と、少し苦しそうな表情も見せた。
Photo by Hirokazu Tomioka
しかし、沿道から「Go Japan! Yeah! Yeah!」「Well done!」などと声をかけられると、両手を挙げて声援に応え、最後まで力強い走りを見せた。
鈴木長官は、初めての10キロマラソンを1時間02分03秒でフィニッシュ。ゴール後は、「ゆっくり入って、後半に上げる作戦だったのですが、前半ゆっくり、後半はもっとゆっくりになってしまいました。でもベストを尽くしました」と、額に汗を光らせながら話した。
Photo by Yoji Matsumoto
「もともと水泳選手の私が、10キロマラソンにチャレンジしたことに、マスターズの面白さや良さがあると思います。自分が得意でなくても、好きなスポーツに参加していいんだって思っていただきたいです。日本では、2019年にラグビーワールドカップ、2020年に東京オリンピック・パラリンピックと続き、観戦したり支えたりする大きなスポーツイベントが続きますが、2021年の関西で行われるマスターズでは、みんなで参加するスポーツイベントになればいいなと思っています」(鈴木長官)
Photo by Hirokazu Tomioka
鈴木長官が専門外の10キロマラソンにチャレンジしたように、ここWMGでは、「好き」の一心でさまざまな競技にチャレンジするスポーツ愛好家たちがいる。競技によっては、レベルごとにカテゴリーが分かれており、初心者でも楽しんで参加できるのがWMGの特徴だ。
大会はまだ始まったばかり。元プロや、セミプロ、アマチュアが混じり合って起こす、さまざまなドラマに注目していきたい。
■ワールドマスターズゲームズ(WMG)とは
WMGとは、生涯スポーツにおける世界最高峰の国際総合競技大会。オリンピック・パラリンピック同様、4年に一回開催されており、原則30歳以上のスポーツ愛好者であれば、誰もが参加できる。2017年は、ニュージーランド・オークランドで開催されており、オークランド大会では、28競技45種目が行われる予定で、およそ100カ国から約2万6000人が参加する。日本からは約400人の参加が発表されており、参加国の中で8番目に多い。
(文・伊澤佑美)