「なんだか今日はやる気がでない…。」
長い仕事人生、時にはそんな日もありますよね。では、その「やる気」の正体とは、何なのでしょうか。今回は心理学の観点から探ってみたいと思います。
やる気に深く関わる「自己効力感」とは?
心理学ではやる気のことを「モチベーション」と表現しますが、これには「自己効力感」が深く関わっているといわれています。
「自己効力感」。あまり聞き慣れない言葉ですが、以下のように定義されています。
ある事態に対処するために必要な行動を、うまくやり遂げることができるかどうかについての、本人の判断。
簡単に言えば「自分にもできそうだと思えるかどうか」ということ。
確かに、やり方がわからない仕事や不得意な業務は、中々やる気がおきないものです。
「自己効力感」を左右する4つの要素
この「自己効力感」はどんなときに変動するのでしょうか?
それが以下の4つの要素です。
1)直接体験
その名の通り、実際に成功体験を積むことです。一度うまくいったことなら、できそうな気がしますよね。
2)間接体験
誰かが成功したのを見て学ぶことです。気をつけたいのは、誰かが目の前で失敗したとするのを見ていたとすると、自己効力感は下がってしまうこと。
よく『失敗から学ぶ』と言いますし、参考になるところはたくさんありますが、モチベーションを高めるという観点では、成功例をたくさん見るようにしましょう。
3)情動的喚起
自分で「今日の自分、いけるかも。」と感じることです。なんとも感覚的ですが…
「大舞台のはずなのに今日はなぜか緊張していない。」
「最近いいことが続いているから、今日も大丈夫かもしれない。」
理由は様々だと思いますが、不思議とできる気がするときは、自己効力感がかなり高まっているときです。
4)言語的説得
説得という言葉が使われていますが、強制されるという意味はなく、他人から「落ち着いてやればきっとできるよ」などと声をかけられることです。
スポーツなどもそうですが、応援されるとやる気も上がりますもんね。松岡修造さんのアツい応援も、この「言語的説得」によるものです。
やる気を引き出そう!
上司の立場として、部下のやる気を引き出すのであれば、「間接体験」か「言語的説得」が有効です。
実際にやってみせたり、不明点は気軽に相談してくれるように声をかけたりすると、部下のやる気が上がるかもしれません。
スキルの育成だけではなく、モチベーションも上手に引き出して、よいチーム作りをしてみてはいかがでしょうか。
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