ミドルの転職 編集長の岡田です。
先日公開した『35歳以上の転職は今がチャンス?上昇するミドル求人の給与、その要因を転職コンサルに聞く』という記事、すでにお読みいただいたでしょうか?
ミドル層を求める求人の約60%が、給与アップをしているという調査結果をご紹介すると共に、給与アップ対象になりやすいミドル年代と上昇額、そしてその理由について転職コンサルタントに聞いております。もし、未読の場合は本記事と合わせてお読みいただければ幸いです。
今回は、給与アップしている業種と、職種について。引き続き、転職コンサルタントへの調査結果をご紹介していきます。転職活動を検討される際に、ぜひご参考下さい。
ミドル求人で、給与が上昇している業界TOP3
Q. ミドル人材を対象とした求人の給与が上昇していると感じる、上位3つの業種を教えてください。
日々、企業からの求人情報を確認している転職コンサルタント。実際に求人を見る中で、給与が上昇していると感じる業種について、上位3つを選択していただきました。
もっとも多かったのは、「メーカー」62%。その理由として、「新商品投入に伴う、営業力強化と新規分野開拓のため、マーケティング力強化のため」というコメントがあり、新商品の拡販や販売推進に経験のあるミドル人材が求められていることが見て取れます。
次いで、「建設・不動産」52%。「国内建設工事の拡大に伴う受注増大による、現場監督者不足及び、複数現場の総監督層の強化」、「オリンピック需要での人手不足と、現場職の高齢化」、「建設は慢性的な人手不足となっている」というコメントがあり、同業界内でのミドル人材の取り合いの様子が感じられます。
3位は「IT・インターネット業界」48%。理由は「プロジェクト規模拡大に伴う、プロジェクトマネージャ層の強化のため」、「人材競争が激しい業種のため」と回答がありました。
ミドル求人で、給与が上昇している職種TOP3
Q.ミドル人材を対象とした求人の給与が上昇していると感じる、上位3つの職種を教えてください。
続いては、求人の給与が上昇している職種についてのランキングです。給与上昇している求人が多かったと回答された職種は「経営・経営企画・事業企画系」60%。
その理由は、「新規事業企画ポジションが増えている」ことや、「ミドル層の離脱が起きていて、特に会社の根幹となる、経営企画のニーズが高まっているため」といった経営に関わる事由も散見されています。また、地方企業において都市部での経営企画経験者を求める声も増えているというコメントも。地方企業にとって得難い人材としてミドルは注目されています。
第2位は「営業・マーケティング系」50%。理由は、「スキルの高い方の採用が売り上げ増に直結するため」という声が多数。また、「組織拡大に伴うマネジメント層の増強や、新規事業に対する経験者補強のため」と期待の高さが表れる結果となっています。
そして3位は、「技術系(IT・Web・通信系)」と「技術系(建築・設備・土木・プラント)」が同率。「求人倍率の高い職種のため」、「適材が不足しており、転職市場から補わざるを得ない状況になっている」、「オリンピック需要での人手不足」が理由として挙げられています。
ミドルの転職における給与上昇は続く?転職コンサルの予測
ミドルが求められ、給与が増加する傾向は、今後いつまで続くのでしょうか。最後に「今後のミドル人材を対象にした求人の給与の増減」について転職コンサルタントに見解を聞きました。
変わらず、増加していくと思います。 普段、企業様からお話をもらう中でミドル人材のニーズはどんどん上がっており、会社の魅力で引っ張る一方で年収面を前面に押し出すところが増えているためです。
特に中堅~小規模な会社は更に二極化するように思われます。 低賃金で即戦力を必要とする余力のない(これまでの流れから抜け出せない)企業と、ある程度の自動化を図る事で既存の不採算な社員を切り捨て、高額でも優秀な人材獲得を図る企業。今でもその動きはあるかと思いますが、まだ加速していくのではと考えます。
人件費という企業の売り上げの範囲で支出幅が決まったものにおいて、際限なく上昇するとは考えにくく、今後落ち着きを見せることは予想されます。ただ人材獲得競争が沈静化するとも考えにくい為、ダブルワークや評価制度の見直しなど限られた資源の最適化により経営のトレンドが移行すると予想します。
リーマンショック以降、人材採用に取り組めていなかった企業が大小関わらず多く存在している。 すなわち、30代~40歳前半確保は各業界の課題になってくると考えられます。 よって業界水準より少し上げてでも採用に乗り出す企業は業界問わずあることは想定できます。
今後もまだまだミドル人材のニーズは続くという回答がほとんどでした。特に該当する業界や職種を志望する方にはチャンスと言えそうですね。ぜひ、ご参考下さい。
それでは。
[今回のレポートに使用した調査結果の詳細はこちら]
アンケート実施期間 : 2017年4月12日 ~ 2017年4月21日 / 有効回答数 : 97名
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