連続ドラマの舞台となったことでも再び注目されているのが出版社。個性豊かな面々が一生懸命働いているイメージですが、実態はどうなのでしょうか?今回は集英社、KADOKAWA、講談社というトップ3社に注目し、さまざまな面から分析していきます。
年収、勤務時間はどれくらい?
各社の回答者による平均年収を見ていくと、集英社は550万円(平均年齢:23.6歳)、KADOKAWAは681万円(平均年齢:38.4歳)、講談社は475万円(平均年齢:29.0歳)という結果になりました。年齢や職種によってバラつきがありますが、「給与面でもきちんとしている」(20代/女性/元正社員/クリエイティブ系)、「給与水準が高い」(KADOKAWA/20代/女性/現非正社員/企画・事務・管理系)、「給料は出版業界の大手ということもあり、高い方」(講談社/40代/男性/元正社員/企画・事務・管理系)というクチコミが示しているように、各社とも高水準の給与体系があるようです。フリーランスの編集・ライターとして勤務している場合は「仕事したページ数で収入が決まる」(KADOKAWA/40代/男性/現非正社員/クリエイティブ系)ことも。
続いて各社の回答者の平均勤務時間を見ていくと、集英社は9〜10時間、KADOKAWAは10〜11時間、講談社は8〜9時間という結果になりました。労働時間に関しても、「職種や個人の差が大きい」(KADOKAWA/40代/男性/元正社員/企画・事務・管理系)というクチコミがあるように職種や業務によって異なり、会社によってはフレックスタイム制や裁量労働制を用いて、社員自身がコントロールできる仕組みを作っているようです。一方、「1〜2年ほど前から「時短」をよく言われるようになり、残業はほとんどなくなりました」(講談社/40代/男性/現非正社員/クリエイティブ系)という声もあり、ドラマそのままのイメージでもないようです。
福利厚生はどう?
続いて、各社の回答者による福利厚生全般の納得度を見てみると、集英社は73点、KADOKAWAは60点、講談社は69点となりました。「大手というだけあり、サポート制度も充実しています」(集英社/20代/女性/元正社員/クリエイティブ系)という声が表しているように、各社とも社会保険や産休・育休といった基本的な福利厚生制度は完備されているようです。なかには、「健康診断は社内講堂で行われ、勤務中に席を立つだけで心電図から歯科健診まで受けられるという懇切丁寧なもので、感心した」(講談社/30代/女性/元非正社員/企画・事務・管理系)、「wifiが使える。無料で本が読める。休憩所を使うことができる」(KADOKAWA/20代/女性/現非正社員/企画・事務・管理系)というクチコミも。
出版の未来
さて、各社の社員・元社員は、出版業界での仕事にどのような手応えや未来を予想しているのでしょうか。クチコミをピックアップしていきます。
【安定性を評価する人が多い集英社】
集英社は会社の安定性への評価が89点という高評価であるところが特徴的でした。クチコミを見ていきましょう。
■集英社の社員の声はこちら
[20代 / 女性 / 元社員(非正社員) / クリエイティブ系]
電子書籍で今後どうなっていくのかは分かりませんが、大手なのでつぶれる心配はないと思います。
しかし、週刊少年ジャンプ次第で会社自体の売り上げが左右されている部分もあり、ジャンプが今後この会社の命運をわけるといっても過言ではないかもしれません。
[20代 / 男性 / 元社員(非正社員) / クリエイティブ系]
会社としては、大きく部署によってかわりますが大体の所では企画、方針など若手が手をあげて先のことを決めていくことも多々あります。自分としても意見を言いやすく過ごしやすい会社でした。
雑誌などの企画は他の雑誌などにない企画など新しいものなどを取り入れチャレンジしていく傾向にありますのですごくやりがいのある仕事だと思います。
[30代 / 女性 / 現社員(非正社員) / 営業系]
いろいろな企業と出会える事、また広告作りを1から携われること。ファッションや化粧品の企業など一流企業の広告を手がける事ができる広告代理店とはまた違うがとてもおしゃれごころを刺激される仕事でもあります。
人気雑誌を複数持つ大手という安定感のもと、若手がチャレンジしやすい環境が整い、社員・元社員がやりがいを感じながら働けていることが伝わってきますね。
【シェアトップに誇りあり!のKADOKAWA】
KADOKAWAは、「シェアトップクラスの事業・製品・サービス・技術がある」と答えた人が65%と、他社よりも高確率となりました。クチコミを覗いてみましょう。
■KADOKAWAの社員の声はこちら
[30代 / 男性 / 元社員(正社員) / 営業系]
【柱となる事業・強み】自社の雑誌・書籍の紙媒体や、WEBなどの広告事業と併せてコンテンツをもっているところです。 またエリア情報誌としての売上部数はエリアNo1でした。
[20代 / 男性 / 現社員(非正社員) / クリエイティブ系]
【事業内容、強み、他社との違い】事業内容として、電子書籍化業務を行っているのですが、 電子書籍化のチェック項目の多さや点数の数は他社よりも多く、クオリティも高いと思われます。 自社でコンテンツを持っているので、コンテンツも強みです。
[20代 / 男性 / 現社員(非正社員) / クリエイティブ系]
【会社の将来性について】会社としては、「コンテンツを作る」ということから、 「エンターテイメントを作る」という企業方針に変わりました。 そのため、ただ既存のコンテンツ作成作業だけではなく、 もっと広い領域でコンテンツを作れるようになってきています。 そうした広がりに可能性を感じます。
売り上げの高いコンテンツを持っていることに加え、近年の企業方針の変化により、将来性を感じることにつながったという社員・元社員の声も目立ちました。
【確かな安定性が評価される講談社】
講談社についても会社の安定性を評価する声が多く、75点という高得点となりました。クチコミを見ていきましょう。
■講談社の社員の声はこちら
[20代 / 男性 / 元社員(非正社員) / その他]
大手による安定がまず第一に大きいかと。会社が倒産、などという心配は少ないと思いますので、一度勤められるまでがまず勝負かと思います。もちろん長持ちする根気も大事ですが。まだまだ伸びしろもあると思いますし、そこがよいですね。
[20代 / 女性 / 元社員(非正社員) / その他]
契約社員として仕事をしていましたが、日本一の出版社として働いているんだという自覚がもてた。
正社員、契約社員の差別はなく、仕事内容も同じでバリバリ働いているという感じは持てた。書店に本が並んだ時の嬉しさは相当である。
[40代 / 男性 / 元社員(正社員) / 企画・事務・管理系]
主体性を大事にする会社で、自分のやりたいことは積極的にやらせてくれます。出版業界の大手ということもあり、スケールの大きい仕事に取り組むことができる点も大変魅力があると私は感じています。ただその分責任も大きい仕事が多いと思います。
「日本一の出版社」という声があったように、大手ならではのスケール感を感じられたことが安定性の評価につながったようです。雇用形態にかかわらず、大きな仕事にも挑戦できるのはうれしいですね。
出版社は何気に飲み会が多い!?
【集英社】
【講談社】
企業分析・研究レポートを見ていくと、集英社と講談社の飲み会比率の高さが目立ちました。集英社の回答者のうち、「上司との飲み会が多い」と答えた人は63%、「同僚との飲み会が多い」と答えた人はなんと75%。また、講談社の回答者で、「上司との飲み会が多い」と答えた人は50%、「同僚との飲み会が多い」と答えた人は集英社同様の75%という高確率になりました。お酒の場でのコミュニケーションも、チームで円滑に仕事を進めていく上で、一役買ってくれているようですね。
いかがでしたか?今回は出版社での働き方に注目してご紹介しました。各社の詳しいクチコミはこちらからどうぞ。
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