博報堂アイ・スタジオは、ソラコムと共同でアウトドアアクティビティの位置情報を可視化する弁当箱「LifeLine LunchBox」を開発しました。登山やトレイルランニング、バックカントリースキーなど自然の中で楽しむスポーツやアクティビティを楽しむ人が増える一方で、遭難や道迷いなどの事故件数も増えている中で、万一の際の迅速な対応に役立てたいとしています。
博報堂アイ・スタジオの川崎順平氏は、みずからもトレッキングやバックカントリースキーなどを楽しむアウトドアアクティビストでもあります。アウトドアアクティビストの安全や家族の安心のために、夏季の山岳遭難対策として、LPWAを利用したGPSトラッカー「TREK TRACK」をリリース。瑞牆山(みずかきやま:山梨県)で試験運用しました。その運用実績などをもとに、より広範囲のエリアをカバーするSONY製LPWAアンテナを使用し、ソラコムのクラウドサービスを介したTREK TRACKサービスを提供するとしています。
一般のアクティビストの場合、GPSや無線、衛星電話など非常用の通信手段や遭難の対策は十分ではなく、アクティビティの中で必要なツールにGPSトラッカーを内蔵すれば携帯率が上がるのではないか?という発想から開発に至りました。
ソニー製のLPWAアンテナは最大で270km以上をカバーできるもので、今回のシステムでは見通し距離100km以上でのデータ受信を可能にします。GPSデータはソラコムのデータ収集・蓄積サービス「SORACOM Harvest」にて収集・蓄積され、そのデータを「TREK TRACK」が利用します。
「LifeLine LunchBox」には、食べ終わった時に押す「ごちそうさまボタン」が備えられており、食べ終わった時にボタンを押すことで本人の無事を知らせる仕組み。お昼を食べる時は、行程の半分ほどに達した時であろうということから、道中の無事を知らせるタイミングとしては適しているということです。テスト運用を行いつつ、弁当箱としての容量や容器の重さなどを最適化していきたいと、今後の展開も示されました。
(2018年2月26日Engadget日本版『弁当箱で遭難防止「LifeLine LunchBox」のコンセプトサービスを提案』より転載)