9月20日、 iPhone 5s と iPhone 5c が発売を迎えます。発売1週間前、恒例の予約を開始した iPhone 5c に対し、iPhone 5s は携帯各社から予約を受け付けないことが明らかになりました。しかし、そんなこと言われたっていち早く欲しい、どうしても当日に欲しい、そんな人も少なくないはずです。
そこで、Engadgetでは、携帯ショップと家電量販店、合計12店舗に「欲しい」という気持ちを素直に訴え、なるべく並ぶことなく予約できないものか相談してみることにしました。
iPhone 5s は今回、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社から登場します。取材は、都内の6店舗、関東エリアの3店舗、家電量販店3店舗に電話で行いました。ショップの担当者には、当日に iPhone 5s を入手したいこと、そしてなんとか当日に取り置きしてもらえないかと相談をもちかけました。この相談をきっかけに、現在、ショップがどういう状況にあるのかも聞き出していくことにしました。
やはり予約はNG、在庫がなくなり次第、20日から予約受付
その結果、残念ながら、いずれの店舗でも iPhone 5s の発売前に予約は受け付けないとの回答を得ました。9月20日の発売日以降は、在庫がなくなり次第、予約受付に切り替えるそうです。
ドコモショップ、auショップ、ソフトバンクショップでは、いずれも会社の方針で iPhone 5s の予約を受け付けないとしています。また、携帯電話会社では、アップル側の要請によって今回、予約を受け付けていません。
いずれのショップでも、おおむね断りの内容は同じで、「大変ご迷惑をおかけしますが、当日購入するためには並んでもらうしかありません。ただし、たとえ並んでいただいたとしても、当日購入をお約束できません」というコメント。こちらがどうしても当日に買いたいと伝えると、iPhone 5c ならば予約を受け付けており、おそらく購入できるはずだと、機種を切り替えるよう勧める店舗もありました。
発売に合わせた対応は各店舗毎に異なります。通常よりも開店時間を早めてiPhoneの顧客をさばくというショップもあれば、当日、並んだお客から注文を受けて在庫分の整理券を配布し、残りは予約のみ受け付けるという店舗もありました。
当日在庫10数台? 予約を受け付けない理由
気になる在庫数にはついてはいずれの店も未定で、iPhoneの販売経験のあるauやソフトバンクのショップでは、iPhone 5s の各モデル各色合計で、「おそらく当日10数台程度」と予測している店舗もありました。
なお、ある携帯ショップのスタッフは、「アップルの秘密主義のためにまったく在庫数がわからず、店頭でも頭を下げています。発売当日の深夜に商品と一緒に納品書が届き、そこで初めて在庫数がわかるため、お客さまに何も伝えられないのが現状です」とコメント。
このほか、「予約を受けてくれないのなら、ずっと並ばなければならないのか?」と聞いてみると、前述の店舗とは別の携帯ショップのスタッフは、「ターミナル駅や秋葉原などのお店ならいざ知らず、中心部から外れた地域密着型のうちの店では、お客さまを並ばせたいなんて思っていません。会社の方針で本当に申し訳ない」と話していました。
なお、 iPhone 5 の発売の際は、今回の iPhone 5c と同様、1週間前に予約を受け付けており、発売日当日、一部の店舗では当日分の在庫も用意していました。家電量販店では、独自に予約整理券を配布し、混雑を避けて購入者をさばけるように工夫していました。
在庫が非常に少ないとささやかれる iPhone 5s ですが、現時点で在庫が少ないかどうかも含めて公式の情報はありません。 iPhone 5c の予約を受け付けている以上、在庫の多少と予約の有無に関連性はないと想像できます。また、KDDIの石川雄三専務は、予約を受け付けない理由について、「アップルのマーケティング施策によるもの」とコメントしています。
アップル側のコメント
Engadgetでは現在、アップルに対し、予約を受け付けない理由を質問しています。コメントが得られ次第、追記する予定です。
追記:アップルでは、予約を受付ない理由を「iPhone 5s は最初の供給量を超える需要があるのではないか、と予想されるため」と説明しています。また、Engadget では同時に、iPhone 4S や iPhone 5 の初期供給量との違いについても質問しましたが、アップルはこちらにはコメントしていません。
今回の iPhone 5s と iPhone 5c は、アップルとしてはシリーズ初の2ラインナップ体制となっています。最新機能を求めるハイスペック嗜好のユーザーは iPhone 5s 、フィーチャーフォンから乗りかえるユーザーなどは iPhone 5c 、といった位置づけで商品展開するものと見られます。