Adobeが、Flashのサポートを2020年で終了すると発表しました。理由はすでにFlashの利用が大幅に減ってきているため。2020年末にはFlash Playerのアップデートと配布を中止し、既存のFlashコンテンツを新しくオープンなフォーマットに移行するようコンテンツ制作者に勧めるとのこと。
実質的には、もうウェブ上においてFlashが必要な場面はかなり少なくなっています。Chromeブラウザーの統計では、2014年にはまだ80%あったFlash使用サイトは現在では17%にまで低下したとされます。また上記5社の提供するサービスやブラウザーもFlashからHTML5への移行をほぼ完了しています。
Flashの"終わりの始まり"は、やはり2007年にアップルのスティーブ・ジョブズが公開した文書「Thoughts on Flash」と言えるでしょう。ジョブズはFlashがAdobeの方針によって管理されるプロプライエタリ―な技術であることを指摘し、そのパフォーマンスやすでにオープンな代替技術があることを理由にして、あの手この手でFlash対応を迫るAdobeの主張を退け続けました。結果、Adobeは2011年にはモバイル向けFlashの開発終了宣言をするに至っています。
一方、デスクトップ向けのウェブブラウザー方面では以後もしばらくの間はFlashが活躍していましたが、2015年以降、MozillaのFirefoxがFlashの標準対応を終了し、macOSのSafariや、マイクロソフトのEdge、GoogleのChromeブラウザーもHTML5をデフォルトで使用するようになりました。
Adobe自身、すでにFlashへのこだわりを捨てており、しばらく前からHTML5やWebAssemblyへの移行を推進するようになっていました。2015年の暮れにはオーサリングソフトのFlash ProfessiolnalをAnimate CCに改名し、FlashをHTML5に変換する開発者のコンテンツ制作の主軸をHTML5に移行させる対応をとっています。
(2017年7月26日 Engadget 日本版「Adobe、Flashの2020年末廃止を発表。HTML5やWebGL、WebAssemblyへの移行を推奨」より転載)