FacebookはCambridge Analyticaによるユーザー個人情報の不正流用問題へのダメージコントロールに追われています。しかし、問題を通じて解雇される社員はひとりもいない模様です。メディア向けの電話会談において、CEOのマーク・ザッカーバーグはスキャンダルのあとに解雇された社員はひとりもいないことを確認し「これ(個人情報の不正流用問題)は私に責任がある」と発言しました。
とはいえ、ザッカーバーグは自分自身の辞任も考えてはいなさそうです。彼は、自分がFacebookの舵取りに最適な人物だと思うかとの問には「イエス」と答え、もし取締役会が会長職に退かせることを検討していたら、との問いには「私の知る限りそんなことはない」と返答しています。
実際のところ、ハッシュタグ#deletefacebookで巻き起こったユーザーの流出運動は、Facebookの運営を揺るがすほどの広がりを見せてはいません。ザッカーバーグもユーザー流出について「われわれが確認した限り意味があるほどの影響があったとは思わない」としつつ「私は私たちのサービスに対して誰一人として不満をいだいてほしいとは望んでいません。たとえそれが数字に現れなくとも、大規模な信頼の失墜については私はまだ人びととの対話を続けます」と語っています。
ザッカーバーグは、このメディア向け会談に先立ち発表した個人情報の保護に関する多くの対策に付け加え「Facebookの今後の主な目標は、すべてのシステムをとユーザーを安全に保ち、世界中の民主主義を傷つけないようにすることだ」としています。そしてFacebookには「人々がどのようにツールを使用するかの結果に全責任を負う必要がある」ことを認めザッカーバーグ自身が「今日のFacebookが世界に及ぼす影響の大きさをわかっていなかった」と反省の言葉述べています。
ただし、Facebookが扱えるユーザーの個人情報は「ユーザーがそれを提出することを選択したもの」だと強調しており、今後それはFacebookをより良くするために活用するとしています。もちろん、販売目的で個人情報を集めているわけではないことに違いはありません。
なお、ザッカーバーグCEOは4月11日にアメリカ議会での公聴会に出席することになっています。
(2018年4月5日「Engadget日本版」より転載)
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