火星と木星の間に位置する最も大きい準惑星ケレス(Ceres)に、NASAの探査機ドーン(Dawn)が到着、無事に周回軌道に入りました。ドーンはこれから1年半あまりの長期にわたって観測を続ける予定です。ケレスには先日、表面に複数の明るい点が見つかっており、それが何なのかの解明が注目されています。
3月6日、2007年に旅だった NASA の探査機ドーンが、ようやく最終目的地となる準惑星ケレスに到着しました。小惑星ベスタ(Vesta)の観測を含めた旅程は合計49億kmにもなります。
ドーンはこれまでにも接近中のケレスを捉えた画像を何度か NASA に送り届けています。そしてその準惑星の表面には幾つもの白い点が見つかっています。
この白点の正体はいまだわかっておらず、学者の間では氷原だとする意見や、蒸気が噴き出しているという意見などがあります。実際、昨年初頭にはケレス表面からの蒸気噴出が ESA(欧州宇宙機関) によって確認されていました。
現在のところ NASA は、情報が少なすぎるとして一切の公式見解を発表していません。しかもドーンは長旅の途中で2基のリアクションホイールが故障しています。このため思うような姿勢制御ができず、分析のために撮影できる画像の数は予定より少なくなることが予想されています。
しかし期間はたっぷりあります。われわれ素人が気になる白点の謎、そしてケレスそのものの詳細が解明されるのを、慌てずに待ちたいところです。
ちなみに、ケレスを含む小惑星帯の天体の多くは太陽系の初期から存在すると言われています。ドーンによるケレスの観測・解析は、太古の地球に隕石が水をもたらしたとする仮説の検証や、太陽系の生い立ちを知るための重要な手がかりとなることが期待されています。
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(2015年03月08日Engadget日本版探査機ドーン、準惑星ケレスの周回軌道に到着。1年半の長期観測で謎の光点や内部構造を解析 - Engadget japaneseより転載)