早く帰って、仕事の生産性を高めよう。4時35分から始める5つのこと

仕事は「終わり方」が大事だった。
Business people tired of working
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mediaphotos via Getty Images

午後4時35分。気分はまるでマラソン選手の靴のようだ。疲れきって、体のあちこちが痛い。

一日中、集中力を切らさないように仕事をした。大急ぎで会議に向かい、カフェインを飲んで眠気を振り払い、ToDoリストを必死で片づけた。そして今、仕事を持ち帰るためにカバンに書類とパソコンを詰め込んでいる。

仕事を終わる前は、中身のほとんどなくなった歯磨き粉になったような気分になる。ありったけの力を込めて最後の残りを絞り出すのだ。でもそこまでする価値があるだろうか?

ほとんど中身が無いんだから、捨ててしまってもいいのに。

歯磨き粉だったら捨ててもかまわないかもしれないが、仕事はそうはいかない。勤務時間は歯磨き粉ではないのだから、終業前の数分をただ投げ捨ててしまってはもったいない。有意義に使ったほうがいい。

この記事で伝えたいのは、終わらせ方次第で仕事の生産性が変わるということだ。だから生産性を上げる仕事の終わり方をご紹介したい。何時に終わるかは関係なく、いつでも使える5つのステップだ。それに会社だけでなく家でも使える。

なぜ仕事の終わりが大事?

仕事の生産性について語る記事のほとんどは、朝に注目する。「朝4時半に起きれば、世界を征服できる」といった具合に。

でもちょっと考えてほしい。

・事実1: 仕事終わりは最も生産性が落ちる時間だ。心身ともに疲れきって、エネルギーはほとんど残っていない。それにも関わらず、メールの受信トレイは満杯。集中力はほとんどないのに。

・事実2: 反対に、仕事の始まりは生産性が最も高い。

しかし、仕事初めは前日の後始末に追われることが多い。前日の残りの仕事をするだけで、一日の初めから疲れてしまう。そして残りの時間は、目の前の仕事を必死にこなすだけになってしまうのだ。

でも、ある程度仕事を終わらせていれば、次の日はよいスタートをきれる。だからお勧したいのは、生産性の低い仕事終わりの時間を有効活用して、翌日のスタートをより生産的にするという方法だ。とてもシンプルな考え方に基づいた5つのステップをお伝えしたい。

この方法は、遅くても仕事が終わる30分前に始めることをお勧めする。本来の終業時間が午後5時であれば、それを5時半まで延長して5時から始めてもいいかもしれない。でもその必要がなければ4時か4時30分に始めてもよい。この方法で、翌日がよりクリエイティブで生産的な1日になる。

ステップ1: できるだけ多くのメールに返信する。

30分以下でなるべく多くのメールに返信しよう。自分に関係のあるメールの大半は、勤務時間中に届く。その中に重要なメールのほとんどが届いているので、80%程度に返信すれば、翌日の仕事量を大幅に減らせる。

次々に受信ボックスに入ってくるメールをいかにうまく処理できるかが、生産性を上げられるかどうかの鍵だ。メールを処理しておけば、次の日をスムーズに始められる。

ステップ2: コンピュータとモバイル端末の電源を切る。

パソコンやモバイル端末の電源を切ることで、メールの嵐を防ぐことができる。パソコンやモバイル端末でスケジュール管理をしたり、メモをとったりしていれば、電源を切るのをためらうかもしれない。でも、メールやチャットは、何であれすべて閉じた方がいい。

コンピューターは完全にシャットダウンしよう。翌日、インターネットで読みかけの記事を目にしたり、Facebookのページにとんだり、書きかけのレポートを見たりすれば、新たな気持ちで1日を始められないだろう。

新鮮な気持ちで仕事を始めるのはとても大切なことだ。1日を、前日のやりかけを終わらせることから始めてはいけない。やらなければいけないことが残っているなら、ステップ3でご紹介する「ブレインダンプ(脳の掃除)」 をお勧めする。

ステップ3: ブレインダンプ をする

ブレインダンプ (脳の掃除)をするために、やるべきことをすべて書き出してみよう。自分のこと、家族のこと、仕事のこと……。思いつくままに何でも書いてみよう。

ブレインダンプの目標は、心の中にある不必要なものを減らすことだ。生産性をあげるための鍵は、時間の節約ではなく、精神のコントロールだ。

やるべきことを書き出すことで、翌日に備えられる。やるべきことがはっきり分かっていれば、余計なことに気を取られずに仕事を始められる。

ステップ4: 翌日の計画を立てる

一日が始まる前に、その日の計画を立てることは重要だ。計画なしに一日を始めることは、エンジンを十分に温めずに車を走らせるようなものだ。生産性に関する専門家が指摘しているが、実際に計画を実行する時間より、ToDoリストを作ることに多くの時間を費やしてしまう、なんてことになってしまう可能性もある。一日の初めに計画を立てると、最も生産的な時間を実行ではなく、計画に費やしてしまうことになる。

だから、計画は当日ではなく前日に立てよう。前日に立てていれば、完全に準備できた状態で一日をスタートし、順調に仕事をこなせるだろう。

ステップ5: オフィスをきれいにしよう

オフィスを掃除することは、生産性を向上させるための有効な方法だ。考え方や働き方は環境次第で大きく変わる。

「オフィスが汚れていると、仕事のパフォーマンスが損なわれる可能性があります」と雑誌Inc.は伝えている。具体的にどういった影響があるのだろうか? 調査によると、オフィスが汚れていると「時間がなくなる (47%)、会議に遅刻する(16%)、仕事の期限を守れない(14%)」といった悪影響がある。CIOマガジンによれば、平均的な管理職は、書類を探すことに1年間で6週間無駄にしているという。

椅子に掛けっぱなしトレーニングウェアや、床に放置された新聞、デスクいっぱいに散らかった書類、一週間放置したままのコーヒーカップが生産性を下げているのだ。

オフィスをきれいに掃除する。たったそれだけのことで、生産性を上げられる。

マッキンゼーの調査によれば、「情報を探したり集めたりすること」は会社員が時間を無駄にする2番目の原因で、勤務時間の19%(1.76時間)を占めるという。もっとオフィスをきれいにしておけば、1時間以上無駄にせずにすむだろう。

オフィスを掃除するメリットは他にもある。

・整理整頓すると、一日を終わらせることができる。気分が良くなるだけでなく、遅すぎない時間で仕事を切り上げられる。

・きれいに掃除すると、仕事を終えた時にリラックスできる。このため、ほっとした気分で家路につき、仕事以外の時間を楽しみやすくなる。

・翌日は、心身ともにリフレッシュされている。オフィスが片付いていることの最大の利点は、翌日を新鮮な気持ちでスタートできるということだ。オフィスが片付いていれば、やる気も高まる。

ついでに、自分のデスクの写真を撮って、Instagramに投稿してみてもいいかもしれない

結論

今こそ、仕事の終わり方を見直す時だ。仕事の終わり方を改善できれば、始まり方もよくなるだろう。そして一日を通して、仕事の生産性があがる。

ステップをもう一度振り返ってみよう。

ステップ1: できるだけ多くのメールに返信する

ステップ2: コンピュータとモバイル端末の電源を切る

ステップ3: ブレインダンプ(脳の掃除)をする

ステップ4: 翌日の計画を立てる

ステップ5: オフィスをきれいに整える

想像してみよう。明日の朝会社にきたら、オフィスがきれいに片付いている風景を。心は澄んでいて、仕事の準備は万端だ。これからの8時間、集中して仕事に取り組める。

試さない手はない。

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

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