胸が張り裂けそうな死に、言葉もない。スティーブン・ソトロフの家族だけでなく、私たちすべてにとっても。31歳の若きジャーナリストは、世界のはるか片隅で、重要な、そして自分の大好きな仕事をしていた。彼の死にこれ以上ない恐怖を感じてしまうのは、その殺害方法が残虐だから、というだけではない。少なくとも現時点では、何の罰を受けることもなく、再び彼らの力が世界に見せつけられてしまったからだ。彼らは世界を舐めくさり、勝ち誇っている。最も卑劣なやり方で。
個人的に、そしてアメリカ国民として、この蛮行について深く考えることが山のようにある。その中で見落としてはならないものがある。若きソトロフの死は、その前に殺害されたジェームズ・フォーリーのように、アメリカのメディアの編集現場を震え上がらせた。この、えも言われぬ恐ろしい斬首は、オバマ大統領にメッセージを送るのが目的だった。しかしその反響は、各地のジャーナリストやニュース編集部門に特に大きな衝撃を与えた。
大手新聞の編集者や、通信社やテレビ局の幹部に、はっきりとしたメッセージが伝わってきた。「近づくな。記者は出て行け」。以前から伝えられていたことではあったが、危機はいま、はるかに恐ろしいほどリアルに迫っている。
ダンテの「神曲」の地獄編の一節が思い浮かぶ。「ここに集う者たちよ、すべての希望を捨てよ」。だからこそ、独立系の、フリーランスのリポーターは今日、シリアのほとんどの地域や、イラクの多くの地域にいないのだ。真のジャーナリストはまさにこうした地域で独自の報道を行い、世界で最も重要なニュースをレポートすることを、切に求められている。しかし、その多くは届かなくなるだろう。誰が命と引き換えにジャーナリストを、それも最高のジャーナリストを赴任させるだろうか? テロリストは地獄の片隅を、西洋の人間にとって理解不能な空間に作り上げることに成功した。彼らは動画宣伝の達人でもある。だから独立系ジャーナリストがいないと、よりいっそう無残で、危険なものとなる。
ソトロフはフォーリーと同様、大手メディアに所属しないフリーランサーで、自らの命を危険にさらし、中東の最も危険な地域で何が起きているのか伝えようとしていた。
イラクとシリアの大部分は今や、イスラム国として知られる無法者のテロリスト集団に支配されている。ここは西洋人にとっては誰でも、世界で最も危険な場所であることは疑問の余地がない。西洋人のジャーナリストにとってはなおさら致命的だ。
では、シリア北部で今何が起きているのか、どうすれば知ることができるだろう? イラク西部は? 答えはどちらも不可能だ。あなたがもし、ここが世界の一部だと考え、この地域の紛争に関心を払う必要などないと考えているのなら、ぜひ考え直してほしい。私たちは過去の危機でアフガニスタンを無視した。イスラム国の登場で、アルカイダなどまるでお遊びに見えてしまうかもしれない。いずれ歴史が明らかにするだろうが、少なくとも今は、危険だ。そして私たちには、今何が起きているのか、プロの良心的なメディアからの報告が必要だ。この地域を理解することは命がけだ。特に私たちが今にも持続的な軍事介入に乗り出そうとしているときは。
ソトロフは、それが大事だと知っていた。彼が拘束される直前の昨年、Foreign Policy誌に掲載された記事で、彼は、そこにいて、そこで見たものにしかできない、地獄絵図を描いている。
私はソトロフもジェームズ・フォーリーも知らなかった。しかし私たちはみな、しばし立ち止まって彼らの記憶、彼らの仕事と勇気に感謝すべきだろう。
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