シドニーから3大会連続で五輪に出場した元陸上選手と、一緒に考え、議論を深めます。議論は週刊誌AERAの連載で紹介します。いただいたコメントを抜粋・要約することもありますがご了承ください。
長崎で高校生女子による凄惨な事件がありました。その後の報道では、女子生徒には金属バットで父親を殴るなど、幾つかの兆候があり、専門家が"このままでは人を殺してしまう恐れがある"と警告していたそうです。事前にメッセージが出されていたのにも関わらず、と報道にはありますが、しかし事前に危険な兆候が出ている時、私達は本当に対応ができるのでしょうか。
これからは仮定の話ですが、今後テクノロジーが発展していき、過去のメールの内容、sns、行動の傾向、表情、声の質など、様々な情報からその人が犯罪を犯すかどうかがある程度読み取れるようになったとします。例えば90%、誰がどんな犯罪を1年以内に犯すかわかるようになる。
そこで考えてみたいのですが、犯罪を犯す確率が高い人に対して、何らかの対処、勾留などをすることは果たして許されるのでしょうか?
その人をそのまま置いておけば90%の確率で犯罪が行われ、その被害者になる方もいらっしゃるかもしれません。そういう観点からは、犯罪を行う可能性がある方は勾留し、更正プログラムに送り込むことは許されるように思います。
世の中を守るため、被害者になる可能性がある方を守るため、当然の対処にも思えます。
一方で、犯罪を犯す確率があるからという理由で、犯してもいない犯罪を理由にその人の人生に介入することは許されるのでしょうか。90%の人はおろか10%の人は全くの無実にも関わらず、急に警察から連絡があり自分の人生を無理矢理変えられてしまうわけです。もしそれが被害者を守るためとはいえ、そんな無実の人の人生に勝手に介入してもいいのでしょうか。
またもし仮に100%犯罪を犯す人が事前にわかったとします。その場合でも、まだ犯罪を犯していない人は犯罪者とは言えません。そういう人の人生に介入することは許されるのでしょうか。
人を裁くのはいつも過去に対してですが、まだ起きていない未来を予測することが可能だと想定してみると、とても悩ましい問題があるように思えます。
犯罪を犯す可能性が高い人を勾留することは許されるのか。ぜひご意見お待ちしています。
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