シドニーから3大会連続で五輪に出場した元陸上選手と、一緒に考え、議論を深めます。議論は週刊誌AERAの連載で紹介します。いただいたコメントを抜粋・要約することもありますがご了承ください。
日本ではパラリンピックの人気が低い、という記事を見たことがあります。2020年に向けて人気を高めるための動きも見られますが、昨今、パラリンピックには別の議論も生まれています。
2012年のロンドンオリンピックで、とても歴史的な出来事が起こりました。オスカー・ピストリウス選手というパラリンピアンが、オリンピックの「男子4×400mリレー」に出場したことです。陸上の短距離では初めてのことで、ニュースでも「素晴らしい」と多く取り上げられましたが、別の議論も巻き起こりました。ドイツの研究チームが「ピストリウス選手の義足が競技に有利に働いている可能性がある」と発表したからです。結果的にそれは覆されましたが、ピストリウス選手としてはすっきりしませんでした。
また今年のドイツ選手権でも、パラリンピアンに関する議論が巻き起こりました。走り幅跳びのマークス・レーム選手が、8m24cmというロンドンオリンピックで銀メダルに当たる記録で優勝したのですが、彼は片足義足のパラリンピアンでした。このままではパラリンピアンがドイツ代表になってしまい、彼を代表にすべきかどうかという議論が沸き起こっています。
実は義足はカーボン素材でできています。使いこなすのはとても難しいですが、反発力は人間の足よりもはるかに大きいのです。さらに今後開発が進めば、もっと優れた製品ができる可能性もあります。このままでは、2020年はパラリンピアンの方が遠くに跳んでいるのは間違いなさそうです。とはいえ、彼らは自分の置かれた状況を克服して高いレベルに達しており、その努力は健常者よりも大きいと考えていいでしょう。
さてここで質問です。マークス選手がオリンピックに出場することに賛成ですか、それとも反対ですか。その理由も教えてください。今後世界で起こるであろう議論を、是非ここでも行いたいと思っています。皆さんのご意見お待ちしています。
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