シドニーから3大会連続で五輪に出場した元陸上選手と、一緒に考え、議論を深めます。議論は週刊誌AERAの連載で紹介します。いただいたコメントを抜粋・要約することもありますがご了承ください。
半年前にとあることをきっかけに、囲碁をやるようになりました。囲碁は、とても奥深いゲームで素人ながら自分自身が上達することの楽しさを感じますし、また一緒に始めた仲間と時間を過ごせるのもとても楽しいです。月に一度囲碁クラブに通って囲碁を楽しんでいます。
さて、話は変わり、2010年アジア大会では、囲碁が競技種目に入っていました。アジア大会では囲碁はスポーツだという認識となっているから、種目入りしていたわけですが、囲碁は果たしてスポーツかどうかということは、日本の中でも多いに意見が分かれるのではないでしょうか。
改めて考えてみると、スポーツの定義は一体なんなのでしょうか。一見当たり前のようにスポーツと呼んでいるものも深く考えてみると境目が曖昧だったりします。
例えばフィギュアスケートがあります。ルールに乗っ取り、規定の時間の中で、氷上で自分の体で表現したものが採点され順位がつく競技です。
では歌合戦のようなものはどうでしょうか。自分の体を使って声で表現したものが、採点され順位がつく。実は条件だけ考えてみるとフィギュアスケートとあまり違いがないように思えます。
フィギュアは体全体を動かしているという反論があるかもしれませんが、射撃などはほぼ立った状態で構える時と射撃の際の指先しか動きはありません。体の動きがほとんどない射撃もスポーツに入っています。またフィギュアスケートの方が消費カロリーが大きいじゃないかという意見もあるかと思いますが、オペラ歌手などの消費カロリーはスポーツ並みだと言われています。
さらに、引退したフィギュアスケートの選手はシルク・ドゥ・ソレイユに代表されるようなアイスショーに出演する方も多くいます。そうなってくると、今度は急にエンターテインメント性が高まり、時にはアートと呼ばれるようになります。フィギュアスケートが、勝ち負けの要素をなくすと急にアートと呼ばれるわけです。
一応私なりのスポーツの定義は、
•勝ち負けがある。
•ルールがある。
•時間と空間に制限がある。
だと思っています。ですが、当然違う定義で考えている方もいらっしゃるかもしれません。
囲碁がアジア大会で行われたということを機に一度スポーツの定義を考えてはどうでしょうか。囲碁は果たしてスポーツか。ぜひご意見をお待ちしています。
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