3カ月前、私はすべてを投げ捨て旅に出ることに決めました。いわゆるスランプに陥っていました。自信がなくて、大学卒業後に経験したいくつかの失恋の悲しみを引きずっている自分が本当に嫌でした。自分の中に、クリエイティブなひらめきが消えてしまったと感じました。もっと幸せになるために―--自分に挑戦することにしました。
全力を注いでいたフルタイムの仕事を辞め、持ち物をすべて実家の地下の物置に移し、ヨーロッパへ向かう片道チケットを予約しました。貯金といくらかのローンで何とかなるだろうと信じて、友だちや家族、そして猫に、泣きながらワインで別れの杯を交わし、必需品を詰め込んだ巨大なバックパックを背負いました。
到着した空港で搭乗口に座って、くり返し自分にいい聞かせました。「本当に出発するのよ。前からずっとやりたかった一人旅に出るのよ。本当に素晴らしいことが起きて、人生が変わる経験になるわ。私は強くて、自立した女性。やれる」そんな私は、怖くて怖くてたまらなかったのです。
何度も飛行機、列車、フェリーに乗り、ユースホステルに泊まり、ソファで寝て、10週間で10カ国を何百万歩と歩いた後......、私の頭は冴えて自信がつき、以前よりも相対的にずっと自分自身と人生に満足できるようになりました。
一人旅は、すべてを大局的に眺め、自分にとてつもないことができる能力があると気づかせてくれる何かがあります。私のように、旅を渇望し、思い切って一人旅をしようとしているすべての仲間たちに、旅で起こりうることをいくつか紹介します。
■一人旅では、孤独を愛せるようになります。
今回の旅で、私が最も複雑な関わりを持った相手は自分でした。当初は自分の内面を見つめなおしたいと思っていました。私は気分の移り変わりが激しくて、有頂天になったり疑念でいっぱいになったら、すぐに気分が変わったのです。一人の時間がたくさんあったので、日記をつけて自分の心を見つめ、何を感じているのか知ろうとしました。
正直な気持ちを日記に書くことで、日々の生活の中で、自分が何に幸せを感じるのかを見出すことができました。それによって、自分のスケジュール作りがずっと楽しいものになりました。ホステルやAirbnbの宿泊先で、旅行仲間と簡単に出会えました。多くの旅人は、私と同じ一人旅。しかし、私が最も自信を持てた瞬間は、曲がりくねった脇道で道に迷ったとき、目の前に広がった景色に心を奪われたとき、一人で食事をばくばく食べるとき、などでした。
■他人を信頼できるようになります。
女性の一人旅では、必ずといっていいほど危険な状況に遭遇します。ベッドを共にすることを期待している不気味なAirbnbのホストたち、私と一緒にベッドにもぐりこんで、出て行かない酔っ払ったホステルのルームメイトたち、夜明けに洗面台にいる巨大な毛むくじゃらのクモ......。私はこのすべてを忘れようとしています。なぜなら、旅の大半はとても安全で、私は間違いなく他人を信頼できるようになったからです。
出会ったばかりなのに、自分の話を信じてくれるすばらしい人々にたくさん出会うでしょう。宿泊先のホストに迎えられ、すぐに家族のように打ち解けられることを、本当にうれしく思うでしょう。ほとんど誰に対しても気楽に話しかけて自己紹介をして、助けを求め、打ち解けたおしゃべりできるようになるでしょう。誰にも伝えたい物語があり、本当にすばらしい人々がいるのです。
直観は、裏切ることはありません。私は、直観を心から信じています。直観は旅行の最も大切なことのひとつだと思います。直観が、自分を正しい道に導いてくれたことが何度となくありました。何となく大丈夫な気がしなかったので宿泊を見送った家が何軒かありました。
ひとりで帰宅するリスクを取るよりも、外出しない方が良いと判断した夜もありました。なんとなく良くない気がしたので、無視して避けたような、わずらわしい人たちがたくさんいました。危険を感じたらその場から立ち去り、嫌悪感を向けてくる人には、迷わずきっぱりとした態度で、いいたいことを伝えることです。自分の直観を信じて、いつも油断しないことです。
■毎日のシンプルな服装と身支度がわかります。
ユースホステルに滞在するときは、特に有効です。旅行中は見た目も服装も自由です。本当に新鮮です! ファッションセンスに従って、天候や快適さに合わせて服装を決めてください。
私は数枚の基本アイテム(重ね着は便利)、ワンポイントのネックレス、多目的に使えるシューズ、アクセントカラーとして明るいタンクトップ数枚を、バックパック・セットで、ノルウェーからポルトガルまで着回すことができました。
日中は、メイクはせず(お肌にも良いですし、メイクしなくても自信が持てるようになります!)、水のいらないドライシャンプーでボサボサのヘアスタイルをうまくまとめました。夜出かけるときに"華やかにする"と決めたときは、BBクリーム、コンシーラー、マスカラ、数色のアイシャドーで仕上げました。
■ゆとりが生まれ、落ち着きはじめます。
正直いって、朝9時から夕方5時までの仕事から離れて無職になることは、簡単ではありません。突然、目的がほとんどなくなった気がして、日課がないことで不安をかき立てられました。ペースの速い現代社会で、とくに絶えず動き続ける大都市では、私たちは常に何かをしていて、他の何かを探し求めているような感じで、心から満足することは決してありません。
生活のペースを落として、文字通り今ある目の前の景色に感動することで、世の中にはとても多くのチャンスがあることに気づきました。そのチャンスは、ちきに"従うべきもの"と教えられた会社員の生活規範とは一致しないものです。私は次第に、落ち着かない気分は薄らぎ、本当の「計画」が何もないにも関わらず心から地に足がついた気分になり始めました。
冒険は終わることはありません。この前、差し迫りつつある現実世界へ戻る日を考えて、ちょっと憂うつな気分になりました。今回の旅ではとても多くのものを得ましたが、家に帰って"普通の日課"に戻ったら、そのすべてを失ってしまうのでは? と思ったのです。しかし、ある旅行仲間が、旅で最も感動的なのは、自分でまったく新しい場所を見つけ出すこと。家に帰ったからといってそれをやめる必要はないだろう? といってくれました。
そう考えてみれば、ボストンで家から一歩外に出れば、有名なハイキングのルートや古風な趣のある街並み、魅力的な美術館あり、私は今まで時間をかけて散策したことはありませんでした。今回の旅が終わっても、冒険は続けることができます。次に何を発見できるか待ち遠しいです。
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キャロライン・バーンズはPR・マーケティングの専門家です。現在は、休職して世界を旅しています。最近旅したのは、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、オランダ、スコットランド、フランス、スペイン、ポルトガル、アイルランドです。彼女にとって旅の必需品は、大好きなコーヒー、タコス、ストリート・アート、ライブ・ミュージックです。彼女の拠点はアメリカ、マサチューセッツ州ボストンです。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。