ひとりでいるのが、好きな子供でした。
本を読んではぼうっとして、空想のなかで自由に羽ばたくのが好きでした。
空を眺めたり、知らない場所をあれこれ探検したり。「もし、○○だったら」と妄想をしては、そのなかで遊ぶのが好きでした。
小学生の頃からずっとイジメにあっていて、学校の先生にも「あなたが悪い」ように言われたり、家庭のなかも荒れていてひとりでいることがほとんどでした。
大人になってからも、どうしても女性の集団に馴染めず居心地の悪い思いをしたり、いろんな場所で嫌がらせにもあってきました。
だから長いこと人が怖かったし、自分が誰かに好かれるようなことがあるとは思ってもみたことがありませんでした。
幸いにも、こうしてネットを通して実際に会うことのできる友人(勝手に友達だと思っています)もできはしたけれど、基本的に私はひとりでいることが多いです。
たぶん、イジメにあっていようとなかろうと、「ひとりでいる」ことを好む人間だったと思っています。
というか、ひとりでいる時間が持てなかったら、窒息する自信があります。
たまたまTwitterに流れてきたハッシュタグに、こんな呟きをしました。そうしたら、思いもがけないことに何百人もの方から「いいね」をつけていただきました。
驚いたのと同時に、それだけ「ひとりでいること」やその時間を必要としている人が大勢いるんだろうと実感したのも事実です。
何かの理由があって、ひとりでいる人も確かにいるとは思います。何か辛いことがあったり、事情があって人が怖かったり。
けれど、こういった「人といるのが困難であったり、苦痛な人々」とはまったく違うケースで、「ひとりでいること」を好む人もたくさんいると思っています。
「人と接するのが苦痛」だったりコミュニケーションが不得手だったり、そういう場面ではなくて。
「家族も友達も恋人もいて、人間関係にまったく問題はないけれど。ひとりでいる時間が、とても大切」という人もいるんじゃないかって。
誰かと出かけるのも楽しいけれど、ひとりでお出かけするのが好きであったり。
気ままに好きな映画や音楽や、自分の趣味を楽しんだり。
それは、何より「自分自身をごきげんにする」ということにもきっとつながる。
このハッシュタグが流れたときに、「本当にひとりでいるのが好きなら、こんなふうにネットで誰かと盛り上がらない」というような意見の人を見かけもしましたが。
「いやいやいや、今はそういうことを言ってるんじゃないよ」とも少しだけ感じました。
人とつながることや、その楽しさを否定しているのではなくて。
「実は私も(俺も)、ひとりでいるのが好きなんだ」
という人にとって、その気持ちを包み込むやわらかな毛布や、すっぽりはまれるクッションのような場所であればいいと思っています。
どんなに大勢の人に囲まれていても、誰にも本当のことを言えなかったらきっと辛い。
誰も本当の自分を見てくれなかったら、きっと苦しい。
ひとりきりでいるよりも、「集団のなかの孤独」の方がきっと寂しい。
そこまでいかなくても、集まりを離れて自分自身の時間に戻れたときにホッとするようなことは、きっとあると思うんです。
理由があって、ひとりでいようとする人も。
ひとりでいるのは淋しいけれど、「ひとりきり」という立場の人も。
大勢の人に囲まれていて、誰かといるのも楽しいけれど、「ひとりでいるのが好き」という人も。
すべての人にとって、「ひとりでいるのって、楽しい!」と思える瞬間があればいいと思います。
孤独と、孤高はきっと違う。
「ひとりでご飯を食べるなんて、恥ずかしくてできない」とか、「ひとりでどこかに行くなんて、人の目が気になってできない」という人には無理に勧めません。
けれど、「ひとりで好きなものを食べるのが好き!」とか、「ひとりで好きな映画にひたるのが好き」だとか、そういう時間を楽しめる人にとって、「ひとりでいることは、こんなにも楽しい」ことなんだということです。
だから、もし「ひとりで出かけるとか、寂しくないの?」なんていう人がいたとしても。
「全然!めちゃくちゃ楽しいです!」
と、好きなものや好きな時間、なにより「ひとりでいることを楽しめる自分」を、ずっと肯定していてあげてほしいと思います。
私は、休日はたいてい本を読んでいます。好きな本を読んでは、ちょっとした感想やレビューを書いてみたり。物語の世界のなかで、しばらくぼうっとしたり。
そうして、たまに同じ趣味の人達と「この本、いいよ!」ができる今の距離がとても好きです。
ひとりで何時間も本屋をまわるのも、図書館ですごすのも大好きです。
好きなだけ本やマンガを読んだり、アニメやゲームに夢中になったり。
好きなアーティストやアイドルの音楽や、ライブを追いかけたり。
特別何かを「好き」というのではなくて、ただのんびり自分のペースで毎日を過ごすことだったり。
ひとりでいる人は、「ひとりでいる時間を楽しめる人」なんだろうと思っています。
ひとりでいることは、恥ずかしいことなんかじゃないし寂しくもない。ひとりで立てるから、それができるんだと思います。
もし、どこかの誰かがそれを笑い者にしたり否定したとしても。それは、「ひとりの時間の楽しさ」を知らないだけなのかもしれない。
「ぼっちじゃなくて、ソロのプロ!」
そのくらいの勢いで、日々を楽しんでいきましょう。
ハフポスト日本版は、自立した個人の生きかたを特集する企画『#だからひとりが好き』を始めました。
学校や職場などでみんなと一緒でなければいけないという同調圧力に悩んだり、過度にみんなとつながろうとして疲弊したり...。繋がることが奨励され、ひとりで過ごす人は「ぼっち」「非リア」などという言葉とともに、否定的なイメージで語られる風潮もあります。
企画ではみんなと過ごすことと同様に、ひとりで過ごす大切さ(と楽しさ)を伝えていきます。
読者との双方向コミュニケーションを通して「ひとりを肯定する社会」について、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
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