米国で、自動車ローンを長期で組む人が増加していると昨年の12月にお伝えしたが、その返済期間がさらに長くなる傾向にあるという。
これまで車のローンは4、5年というのが一般的だったが、昨年から各メーカーが最長7年の長期返済プランを導入したことや、今年に入り金利が下がり始めたことから、高金利ながら、月々の支払いが少なくて済む長期ローンを利用する顧客が増加したという。
この動きが2008年のリーマンショックを引き起こす原因となった住宅のサブプライムローンのような問題に発展するのでは? との不安もあるが、北米トヨタの最高経営責任者(CEO)James Lentz氏は「ローンの貸し倒れは通常6カ月以内に発覚することが多いため、返済期間を長引かせることによるリスクは小さい」と『The Detroit News』紙のインタビューに答えている。また同氏は「長期ローンを利用することで、「カローラ」を買う資金しかない人にも、高級車である「カムリ」を購入することが可能になるだろう」とも述べ、長期ローンのメリットを主張した。
また、『The Detroit News』の同記事では、新型ホンダ「アコード」を購入した顧客の一例を紹介している。金利1.89%の6年ローンでは、4年ローンにした場合と比べ月々の支払いは130USドル(約1万2800円)少なく済み、その分他にお金を回す余裕ができたという。しかも2年間支払い期間が長くなるにも拘らず、利息の増加額はトータルでわずか370USドル(約3万6000円)で済むそうだ。
少しでも販売台数を稼ぎたい自動車業界としては、あの手この手で購買意欲を高めたいという苦肉の策だろう。一方で、返済の期間が長期化することで、車の買い替えの速度が鈍るという懸念がさらに深まることも予想される。
実際のところ、ローンを組むなら最長で何年までがよいだろうか?