マクラーレン、新型スーパーカー「650S」の画像と概要を発表!

マクラーレン・オートモーティブは、3月4日にジュネーブ・モーターショーで発表を予定している新型スーパーカー「650S」の画像と概要を発表した。

マクラーレン・オートモーティブは、3月4日にジュネーブ・モーターショーで発表を予定している新型スーパーカー「650S」の画像と概要を発表した。

マクラーレンによると、「エンスージァスト・ドライバーに最高の贅沢と歓び、興奮を提供するために開発された」という650Sは、これまで販売の多くを占めてきた主力モデル「MP4-12C」(最近では公式にも単に「12C」と呼ばれる)と、既に完売状態のフラッグシップ・モデル「マクラーレン P1」の間に位置する「最も速く、最も魅力的で、最も充実した装備を持つ、最も美しい量産スーパーカー」であるという。

ミドシップ・マウントされるエンジンは、12CやP1と基本的には同じ「M838T」型3.8リッターV型8気筒ツインターボ。最高出力は"12C以上・P1未満"の650psに設定されている。650Sというネーミングは、この数字に'Sport'の頭文字を組み合わせたものだ。パフォーマンス・データはジュネーブ・モーターショーで明らかにされる予定だが、最高速度333km/h、0-100km/h加速3.3秒の「12Cを超えることは間違いない」とのこと。

特徴的なLEDヘッドライトをはじめ、一見して12CよりもP1を思わせるフロント・フェイスは、マクラーレンの新たなファミリー・デザイン言語によるもの。今後も販売が継続されるという12Cも、モデルチェンジ時にはこれに似た"顔"が与えられるのだろう。バンパーと一体化されたフロント・スプリッターは高いダウンフォースを発生させ、ハンドリング・バランスやコーナリング性能に優れるだけでなく、ステアリング・フィールも改善されたことからドライバーは自信を持ってコーナーに入っていけるという。

フロント・ホイール後方、ドア下部には、そのフロント・スプリッターから流れる空気を導き、フロント・エンドのグリップと車体バランスを高める「ドア・ブレード」が装着されている。650Sの空気抵抗値は12Cと同レベルを保ちながら、150mph(約241km/h)走行時のダウンフォースは24%も増加しているそうだ。

12CやP1で採用されているアクティブ・エアロダイナミクスはさらに開発が進み、リアに搭載されたエア・ブレーキはダウンフォースと安定性が向上しているという。これまでのようなブレーキング時や手動で「エアロ」モードに切り替えたときだけでなく、より大きなダウンフォースが必要なときには自動的に展開する。黒いセンター部分が分かれた3ピース構造のリア・バンパーは、12CのGT3レース用車両からフィードバックされたものだ。

マクラーレン独特のサスペンション「プロアクティブ・シャシー・コントロール」は、乗り心地とハンドリングの設定を「ノーマル」「スポーツ」「トラック」という3つのモードに切り替え可能。これはドライブトレインとは切り離して選択できるという。専用にデザインされた鍛造軽合金製5スポーク・ホイールにはピレリ製「Pゼロ・コルサ」タイヤを装着。さらにノーマル・コンディションの公道およびサーキット用として、650Sと同時に専用開発された「MC1」タイヤが用意される。

マクラーレン・オートモーティブのマイク・フレウィットCEOは「我々が12Cとマクラーレン P1から学んだ全てのことが、このマクラーレン 650Sのデザインと開発には注ぎ込まれている」と語っている。

この650Sは、マクラーレンによれば「高級サルーン並みの乗り心地と洗練」を備えるだけでなく、IRISサテライト・ナビゲーションやDABデジタル・オーディオ、WiFiテザリング機能、オーディオ・ストリーミングと音声コマンド機能など装備も充実。決して性能のために快適性を犠牲にした「公道仕様のレーシングカーではない」という。さらにこれまで同様豊富に取り揃えられたオプションには、マクラーレン P1のものをベースにしたバックレスト固定式の軽量カーボン・レーシング・シートや、乗り降りの際に便利な電動ステアリング・コラム、カーボンファイバー・インテリア、リア・パーキング・カメラなどが用意されている。

実車は3月4日12時(日本時間20時)にジュネーブ・モーターショーで公開された後、2014年春より固定式ルーフの「クーペ」と電動格納式ハードトップを備えた「スパイダー」が同時に発売される予定だ。

ハイブリッド・システムを搭載するマクラーレン P1とは異なり、どちらかといえば12Cのエヴォリューション・モデルに相当すると思われる、このマクラーレン 650S。とはいえ、P1似のデザインと12Cを超える性能となれば、(一部の人々の間で)人気が出ることは間違いないだろう。ジュネーブから実車の写真が届いたらまた改めてご紹介するので、どうぞお楽しみに。

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(2014年2月18日の「Autoblog日本版」より転載)

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